こんにちは。高橋翻訳事務所(
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新薬の研究開発には各社がしのぎを削っており、毎年新しい薬が承認されています。分子標的医薬品は主に抗癌剤として開発された医薬品です。際限なく分裂増殖する癌細胞の分裂周期のDNA合成や、細胞内の翻訳会社であるリボソームのタンパク質合成を阻害したり、DNAの機能や翻訳済みタンパク質の機能を妨害したりして癌細胞の増殖を抑えるのが、従来の抗癌剤でした。しかし、DNAの合成や細胞分裂は正常な細胞にもあるので、従来の抗癌剤は癌細胞を叩く一方で、正常細胞にも重大なダメージを与えてしまいます。そこで、正常細胞にはなく癌細胞にだけ存在する分子を攻撃する医薬品、すなわち「分子標的医薬品」が開発されました。標的分子は癌細胞の増殖を促進するチロシンキナーゼと呼ばれる酵素や、炎症に関係する増殖因子などです。
現在市販されているチロシンキナーゼ阻害薬には、慢性骨髄性白血病に用いるグリベック(Gleevec)、手術不能または再発非小細胞肺癌に使用するイレッサなどがあります。一方の増殖因子を抑制する薬剤では、関節リウマチ(rheumatoid arthritis)やクローン病(Crohn disease)に用いるレミケードがあり、そのほかに非ホジキンリンパ腫にリツキサン、転移性乳癌にハーセプチンなどがあります。
しかし、副作用がないわけではありません。イレッサの間質性肺炎がその一例です。
肝臓で合成され血液中に分泌されるある種の糖タンパク質が体内の酵素の作用を受け、アンジオテンシンⅡと呼ばれる物質に変換されます。アンジオテンシンⅡは強力な昇圧物質で、通常は血圧が下がった場合などにシステムが稼動し、血圧を上げるしくみになっています。
高血圧症には多くの原因がありますが、このシステムが異常稼動した場合にも生じるとされています。そこで登場したのが、アンジオテンシンⅡの受容体への結合を阻害するアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬です。現在の降圧剤市場は、カルシウム拮抗薬とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬が主力をなしており、ブロプレスやディオバン、そしてニュータロンなどの製品が競い合っています。
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