2型糖尿病について その1 | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

プロ翻訳家による丁寧な翻訳で海外・国内のホットな話題を翻訳家の視点で書き綴っております。

こんにちは。(株)高橋翻訳 事務所(http://www.takahashi-office.jp/ )で学術論文 訳を担当している平井と申します。分子生物学やバイオテクノロジーをはじめとする生物学全般に関する翻訳 や、医学論文、生化学、ライフサイエンスに関する翻訳 など、生物学や医学において、複数の分野にまたがる翻訳 も扱っています。指名でのご依頼もお受けしておりますのでご相談ください。


日本人に最も多い2型糖尿病のはどのようにして起こるのでしょうか。第1の原因は体内の血糖値(blood sugar level)測定の障害です。私たちの体内では90秒に1回ぐらいの頻度で血糖値が測定されていますが、糖尿病ではこの測定精度が悪くなっています。簡単にいえば、実際の血糖値が200mg/dℓに上昇しているときに、120mg/dℓと測定されてしまうようなものです。


血糖測定装置から膵臓(pancreas)へ血糖値が伝わると、その血糖値に見合った量のインスリンが分泌されますが、この血糖値の上昇から、インスリンが血液中に出てくるまでの時間が掛かり過ぎるタイプの糖尿病が「2型糖尿病」となり、一般的には糖尿病でない人に比べて、3~4倍くらいの時間が掛かります。糖尿病の人は甘い物を制限されますが、これがその理由です。砂糖などの甘い物は消化器(digestive organs)からの吸収がよく、血糖値をすばやく上昇させるため、糖尿病の人のゆっくりしたインスリン分泌では間に合いません。理屈からいえば、ご飯をやめて同じカロリーの大福を食べてもよいように思えます。しかし、計算上のカロリーは合っていても、血糖値の上昇とインスリンの分泌にはズレがあるため、吸収されやすい大福では血糖値が急上昇することになります。大部分の人では血糖値の上昇に見合った量か、またはそれ以上の量が分泌されるのですが、なかには適量のインスリンが出ない人がいます。


血管内のブドウ糖はそのままでは何の役にも立たず、血管内から細胞内へと移動して初めてエネルギー源として使われます。細胞内にはブドウ糖を取り込む門のような場所がありますが、ブドウ糖はインスリンと一緒でないとその門から入ることができません。つまり、インスリンは門を開ける鍵のような役割をしているのです。2型糖尿病の患者ではこの門の具合が悪くなっています。インスリン、つまり鍵が門を開けようとしても鍵穴やヒンジに不具合が生じていれば、ブドウ糖はインスリンと一緒でも細胞内へ入れません。


以上の数箇所で調子の悪さが重なると糖尿病を発症しますが、細胞の門の具合が悪いといっても、いろいろなケースがあります。10人の患者がいれば10通りの糖尿病があり、その結果として治療も10通りあります。糖尿病の治療はオーダーメイドで、インスリンを打たなければならない人から食事療法だけですむ人まで幅広いものになっています。


(株)高橋翻訳 事務所 
医学翻訳 ・分子生物学翻訳 ・生化学翻訳 担当 平井 





翻訳会社 コラム担当者紹介
学術論文 全般を担当しています。専攻しておりました生物学 を中心に、生化学分子生物学バイオテクノロジー医薬 に関する翻訳 を担当しております。このような分野の翻訳 は専門性が高く、大変難しい作業になりますが、背景知識に基づいて、専門外の方にもできるだけわかりやすいように訳すようにしています。ご指名でのご依頼も歓迎いたします。