政治分野の翻訳 を担当している佐々木です。今回は「はやぶさ」の帰還がテーマです。
宇宙航空研究開発機構(JAXA:Japan Aerospace Exploration Agency)の探査機(space probe)はやぶさが帰還しました。2003年5月に地球を出発し、2005年11月に3億キロメートルも離れた小惑星イトカワに着陸して砂などのサンプル採取を試み、7年の時を経て地球に戻ってきました。月以外の天体に探査機が着陸して帰還した初のケースです。
はやぶさ本体は大気圏(the atmosphere of Earth)突入時に燃え尽きましたが、採取したサンプルを収めるカプセルは突入前に分離し、オーストラリアの砂漠に着地しました。しかし、装置の不調によりサンプルの採取が成功したかは不明であり、着陸時に砂漠の砂が入ってしまった可能性もあります。
今回の探査では、「イオンエンジン(ion engine)」と呼ばれる日本独自の新型エンジンや小惑星への着陸を成功させた自動制御技術など、日本の技術力の高さを世界に示しました。しかし、開発に130億円を費やしたはやぶさとほぼ同規模の予算で他の小惑星の探査を目指す「はやぶさ2」の開発が滞っており、計画の実施が危ぶまれています。はやぶさ2の今年度予算は政権交代前の概算要求額17億円から3,000万円にまで減額されたことが最も大きな要因です。
貴重な技術を発展させるためには継続した事業の実施が不可欠であり、無計画なばらまき政策ではなく、より意義のある事業に予算を振り分けるべきでしょう。