企業決算について | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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経済分野の翻訳 を担当している佐々木です。今回のテーマは企業決算(settlement of accounts)についてです。


東証1部(Tokyo Stock Exchange First Section)上場企業の2010年3月期決算が発表され、全体の税引き後利益(net operating profit after tax)は2期ぶりに黒字となる見通しとなりました。


2008年秋に発生したリーマン・ショック(Lehman Shock)と世界不況の影響を受けた昨年の3月期決算は主要企業が巨額の赤字に転落し、戦後最悪を記録しましたが、今回は全体の約3割がリーマン・ショック以前の水準にまで回復しました。最大の要因はリストラ(restructuring)やコスト削減(cost reduction)を進めたことにあります。その結果、売上高は前期比で減少しながらも利益が増加する減収増益(higher earnings on lower revenues)となりました。業種別では、各国政府の景気刺激策(economic stimulus measures)に後押しされた自動車と電機が大幅な業績回復を果たしました。一方で、小売りや不動産、商社などの非製造業(non-manufacturing industry)は苦戦している状況が続いています。


世界経済は回復の兆候を見せていますが、ギリシャ危機(Greek debt crisis)を引き金に新たな不安が再燃しています。ヨーロッパ経済の低迷が長期化することにより全世界に影響が広がり、日本にとっても急激な円高・ユーロ安は輸出企業に打撃となります。また、各国が行った景気刺激策の効果も薄れてきており、天然資源(natural resource)の値上がりも懸念されています。


各企業は業務の「選択と集中(concentration in core competence)」をさらに進めて財政基盤を強化するとともに、新たな市場を開拓するなど、積極的な姿勢の継続が求められます。


(株)高橋翻訳 事務所 経済翻訳 担当 佐々木