日本のファッション業界 | 高橋翻訳事務所スタッフリレーブログ

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美術分野の翻訳 を担当している佐々木です。今回は日本のファッション業界(fashion industry)について取り上げました。


3月下旬に開催された第10回「東京発 日本ファッション・ウィーク(JFW: Japan Fashion Week in Tokyo)」では、国内外のジャーナリストやバイヤーなど、前回比で40%多い約30,000人が来場しました。JFWは官民一体となって日本のファッションを世界に発信することを目的として2005年に始まったイベントです。しかし、5年間の成果については具体的に挙がっていないとの指摘もあります。


日本では、アパレル製品(apparel products)の輸入と輸出の比率は60対1と輸入が圧倒しています。一昨年に発生した金融危機以降の世界的な不況により、2009年の繊維製品輸出額は前年比で約25%も減少しました。一方、各国のファッション業界はファッションショーをサイトで生中継するなど、新たな市場拡大に向けた動きを見せています。特に積極的なのは韓国で、韓国文化体育観光部(Ministry of Culture, Sports and Tourism)と韓国コンテンツ振興院(Korea creative content agency)は、ニューヨーク・コレクション(New York Fashion Week)を主催するアメリカファッションデザイナー協議会(Council of Fashion Designers of America)と「コンセプト・コリア(Concept Korea)」というパートナーシップを結びました。


近年、アジアなどで日本のファッションが人気を集めており、日本のあるブランドでは都内にある店舗の月間売上の40%を海外客が占めたという例もあります。しかし、日本にはファッション業界全体の取りまとめ役が不在のため、世界への発信力の面からすると他国に見劣りしてしまいがちです。JFWでの課題を精査し、世界市場を視野に入れた戦略を打ち立てる必要があるでしょう。


(株)高橋翻訳 事務所 美術翻訳 担当 佐々木