京都で開かれた高校駅伝、女子の部で劇的な逆転勝利をした神村学園の3年生アンカー、カリバ・カロライン選手(ケニア国籍)の快走は圧巻だったが、非常に後味の悪いレースだったと感じる。
タスキを繋いできた仙台育英のアンカーは、カリバ選手に1分20秒差をつけて西京極総合運動公園競技場のトラックに帰ってきたが、パリ五輪ケニア代表候補にもなっているカリバ選手がみるみる追い上げ、ゴールテープの100メートル手前でカリバ選手に追い抜かれ、1秒差の2位でフィニッシュした途端、トラックに突っ伏して号泣していた。
仙台育英もケニア国籍の留学生1名が加わったチーム編成で、両校は1秒差の互角の戦いをしたのだが、逆に言うと、ケニア勢のいない他の都道府県代表校に勝機はなかった、いやもしあっても非常に可能性の低いものだったと言えるのかもしれない。
高校駅伝の予選出場校は全国で減少しており、わずか12校で予選を行う県もあるらしい。
今大会での救いは、男子の部は留学生がいない佐久長聖が大会新記録で優勝したことであろう。
近年は、高校駅伝、大学駅伝、社会人駅伝と外国籍の選手を参加させて優勝を狙うという流れが出来ている。
これから外国選手と競い合う為には致し方ないのかもしれないが、それでも佐久長聖高校、駒澤大学、青山学院大学など、日本国籍の選手を強化する事で各クラスの日本一になるチームは素晴らしいと思う。
さらに言えば、高校生や大学生で留学生ランナーと呼ばれている皆さんは、本当の意味で留学生なのだろうか?
彼・彼女らが本当の意味で留学生ランナーである事を信じたいものである。