郡山から５匹の母子を積んで飯舘村を目指す。目的地の伊丹沢のリリース場所までの１時間半、母猫は鳴き通しだった。仔猫を励ましていたのだろうか？ 私の心は沈みっぱなし、涙で前がかすむ。
現地についてから、二つのゲージに分かれていた仔猫を一つのゲージに移した後に、母猫と同時にゲージの扉を「おかえり・・・」と開け放った。母猫はゲージから出ると仔猫を待つようにゆっくりと歩いて、４匹の仔猫を従えて、過酷な運命を受け入れるように縁の下に消えて行った。
私はその後ろ姿に何度も詫びた。辛かった・悲しかった。今まで何度となくリリース場面を見てきたが、ほとんどのニャンコは捕獲器から飛び出て脱兎のごとく消え去って行った。この母子もそんな姿だったら私の心は救われただろうに・・・ 心に大きな傷を残した。
懐っこい母と子だった。家にいたのは二日だったが、私の顔を見ると空腹を訴えるほどだった。ゲージ内のシート交換の時も「シャー」と云うこともなく、爪をたてることもなく、脱走を試みることもなく・・・
誰かが帰ってくる当てのない場所、生きていくのは厳しい場所に放り出した。これからどれだけフォローしても、心の傷は癒されることはないだろう。
今日は、もう一つの「仕事」があった。大倉地区のワンコにフィラリアの薬を届けることだった。幸い飼い主さんが帰宅されていて手渡しすることが出来た。
＜その他今日の給餌＞
伊丹沢「１ワンコとニャンコ沢山のお宅」、大倉「リボンとあくび」、草野「道端柵のワンコ」、飯樋「石材店のシロ」、久保曽「集会所裏」、蕨平「４か所のBOX」、比曽「GS横」、山木屋交差点。
今週末も台風になりそう。３組のボランティアさんが入る予定なのに・・・