『成功したオタク』★★
『デストラップ 狼狩り』★★★
(満点は★★★★★)




“事実は小説より奇なり”とはよく言ったもので、最近では耳を疑うような出来事やニュースが巷に溢れています。
映画は演出も自由。比べる話ではないかもしれませんが、負けてられませんよね。
さぁ、今週は2本です!




『成功したオタク』は、韓国のドキュメンタリー映画。


この映画の監督であるオ・セヨンは、とあるK―POPスターの大ファン。
映画のタイトルでもある「成功したオタク」とは、“推し”の歌手や俳優などに実際に会ったことのあるファンのことを意味するそう。
オ・セヨン監督は、中学生の頃から“推し”に濃いめの猛アピール。その結果、ファン参加のTV番組で共演するなど、間違いなく「成功したオタク」だったのです。
ところが、あろうことか、この“推し”が、集団性性暴行罪の疑いで逮捕されてしまうんですね。
韓国の芸能界に激震が走ったこの事件で、彼のファンは一転、“犯罪者のファン”になってしまいます。
生活の中心が“推し活”で、これまでの人生のすべてを捧げてきたと言っても過言ではないのに。この状況をどう消化すればいいのか。もやもやしたものが、どうしても拭い去れない。どうしたらいいかと考えた時、同様に彼のファンだった他の人は、何を思い、どう行動しているのかを、聞いて、見て回ろうと考えたんですね。
その記録が、この映画です。
擬似恋愛なんて言ったら怒られちゃうかな。「もう顔も見たくない」という人から、「それでも好き」という人まで、感情はまちまちで。
予告編のラストに、「傷ついたファンによるファンのための物語」とありますが、まさにそう。
おそらく、同じように“推し活”にすべてを捧げている人ならわかる。国境を越えてもね。そんな映画だと思います。★2つ。





『デストラップ 狼狩り』は、バイオレンス・サバイバル・スリラー。


狩猟を生業にし、森の中の小屋で生活をする3人の親子がいました。
夫のジョセフは、娘のルネに森での生き方を教え込んでいますが、妻のアンヌはルネの勉強を見ながらも、町に暮らして、ちゃんと学校へ通わせたいと願っていたのです。
獲物が少なく、食べるのがやっとの生活が続くのには訳がありました。“森の主”とも言うべき、狂暴な狼がいたからです。
罠を仕掛けても、巧妙にすり抜け、狙いは家族3人と言わんばかりに、夜になると狼の遠吠えが森に響きます。
意を決し、狼を狩りに森の奥深くへと踏み込んで行くジョセフ。
しかし、ジョセフが見たのは、若い複数の女性の変死体でした。
狼だけじゃない。この森には、凶悪な別の何かが潜んでいる。
ジョセフのその予感は的中してしまうのです…。


公式サイトのキャッチコピーから“バイオレンス・サバイバル・スリラー”としましたが、中の文章には“ソリッドシチュエーション・サバイバル・ムービー”とありました。
どっちも正解。なんなら両方混ぜてもいいんじゃない?ぐらいで(笑)。
エクストリームの配給作品にしては、人間vs狼とは、ハラハラさせるとは言っても地味だなと思っていたら、最後の最後に「来たぁ!」。
これでも十分にネタバレかも。でも、公式サイトではもう少し突っ込んでますから、ご勘弁を。
期待を裏切らないうれしさに、★を1つ増やしちゃいました(笑)。★3つ。


Xは@hasetake36