『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』★★★★★
『ゴールド・ボーイ』★★★★★
(満点は★★★★★)




今週はどちらも面白かったです。
2作品ですが、共に満点の★5つだったのは、このコラム史上初かも?
是非、ご覧になってみて下さい!
さぁ、今週は2本です!




『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』は、豪華キャストによる大人のロマンティック・コメディ。


ミシェルには、恋人のアレンがいます。結婚願望が強いミシェルに対し、今のままでいいじゃないかと結婚に後ろ向きなアレン。
ハワードはホテルの一室で、モニカという女性とベッドの上に。夫に必要とされていないと不満をこぼすモニカは積極的にハワードを求めますが、ハワードはふと我に帰ったようで、関係を解消しようと部屋を出ていきます。
グレースがひとりで映画館に映画を観に行くと、近くの席でポップコーンを頬張りながら涙を流している男性を発見。グレースは声を掛けにいきます。彼の名はサム。ふたりは意気投合。もっと話がしたいと向かった先はモーテルでした。
ミシェルとアレンは、互いの両親の結婚観を知りたいと。ならばと計画したのが両家の食事会。ミシェルの家に、アレンとその両親を招くことになります。
実は、ミシェルの父はハワード、母はグレース。アレンの父はサムで、母はモニカ。
まさかの男女が一堂に会したから、さぁ大変。この騒動の顛末やいかに…。


面白かったです。
設定が強引だという声もあるようですが、若いミシェルとアレンにはもちろんですが、熟年のハワードにも、サムにも、グレースにも、モニカにも、それぞれに悩みや不満も、願望やときめく時もあるわけで。
“幸せの選択肢”というサブ・タイトルが示すように、自分も誰かに当てはまる、そんなサンプルと言っていい6人なんですョ。その状況を作るためには、少々強引でも、この設定を作る必要があったんじゃないかと思います。
ある意味、“赦しの映画”かなと。ボクも赦して欲しいことばかり(笑)。だから沁みたのかもしれません。
リチャード・ギア、ダイアン・キートン始め、豪華キャストの競演。ミシェル役のエマ・ロバーツは、ジュリア・ロバーツの姪だそう。
また、主題歌がいいんですよ。Ruth.Bの「Always You(Wedding Version)」。
エンディングで流れる訳詞も添えておきます。
「あなたはきっと来世で別の相手を見つけるでしょ 私もきっとそうするわ でも再会したら胸が高鳴るはず だって私はあなたに夢中なの」
これだけで泣けてくる…(笑)。
主題歌込みで満点!★5つ。





『ゴールド・ボーイ』は、中国のベストセラー小説を原作にした日本版クライムサスペンス。


沖縄のとある町に暮らす、中学生の安室朝陽。
両親は離婚し、父は再婚。今は母の香との二人暮らしですが、香は一生懸命に働いて、朝陽を育てています。
ある日のこと、朝陽は小学校時代の親友、上間浩とばったり再会します。一緒にいたのは、浩の義理の妹の夏月でした。
聞けば、夏月が父親を刺してしまったと。警察に捕まるのが嫌で、ここまで逃げて来たと言います。
朝陽は、そんな二人を守ろうと決意します。
海に行き、記念写真を撮ろうとした3人。誤って動画にしてしまったのですが、再生して見ると、背景の崖の上から何かが落ちていったのです。それも影は2つ。
沖縄を代表する大企業の跡取り娘、東静。一人娘の静は夫の昇を婿養子に迎えましたが、今では関係が冷えきっていて、離婚話が進んでいました。
そんな時です。昇は静の両親である社長夫妻を言葉巧みに誘い出し、崖の上から突き落としたのです。
これで富と名誉が手に入る。完全犯罪が成立したとほくそえんだ昇。しかし、朝陽たちの動画にその様子が映り込んでいたのです。
「僕たちの問題、みんなお金さえあれば解決しない?」
朝陽は少年法を盾に、昇を脅迫し、法外な金を得ようと考えたのでした…。


メチャメチャ面白かったです。
原作は中国の人気作家、ズー・ジンチェンの「悪童たち」。中国最大の動画サイトでドラマ化され、20億回を超える再生回数を記録したそうです。
監督は『デスノート』や『ガメラ』シリーズの金子修介。
何の予備知識も入れないで観たほうが面白いと思うので、本当はもっと書きたかったけど、伏線はふせておきます。もうちょっと知りたいという人は公式サイトを見て下さい。さらなる登場人物が出てきます。
オンラインで試写を観た後の感想欄に、「すごい映画ですね…」と一言だけ入れました。
本当に美味しいものを食べた時、「旨い!」の一言ですべてが足りてしまうような感覚に似て。
昇役の岡田将生、朝陽役の羽村仁成、どちらの演技もすごかった…。
サスペンス好きには、絶対オススメの1本です。満点!★5つ。


Xは@hasetake36