今年のサンサーフの実名復刻スペシャルエディションからマニアックながら素敵な一着をご紹介します。
1930年代のアロハシャツの歴史の中でも最初期に作られた「MUSA-SHIYA THE SHIRTMAKER 」のアロハシャツです。
30年代はアロハシャツと言われる物が確立される前夜的な時期です。
この作品のオリジナルもデザインのアイデアやディテールをハワイで組み、最終のスケッチから型の作成、捺染などは日本の職人に託され作られ物と思われます。
絵を見ていると、製作のためにハワイから送られてくる写真や雑誌などの資料をもとに、日本でデザインが描かれていったであろう感じが何となく伝わってきますよ。
単色で涼し気なちょっと浴衣のような雰囲気も感じられ、そこが味わいとなっています。
「サンサ―フ SPECIAL EDITION "MEMORY IN HAWAII" MUSA-SHIYA THE SHIRTMAKER SS39288-170 WINE」です。
フラガール、ダイヤモンドヘッド、そして楽園ハワイを象徴するアロハタワーやパイナップルなどがシンプルな単色使いで表現されています。
色番的にはワインになっていますが、パープルがかった品の良い色合いですよ。
大きな特徴が仕様にあります。
このアロハシャツはプルオーバー仕様になっています。
前開きシャツより以前のシャツにある形がプルオーバーで、ワークシャツを含め30年代あたりの物はこの形も多くあるようです。
ボタンは椰子の実を削り出して作ったココナツボタンです。
ハワイから送られてきた写真を見ながら描かれたであろうデザインがなんとも良い感じですよ。
生地は日本で作られた物に多い縮緬です。
凹凸感があり清涼感のあるレーヨンです。
この作品を手掛けたのはハワイで仕立て業を継いだミヤモト・コウイチロウのショップ「ムサシヤ・ショーテン」、日本語名は「武蔵屋呉服店」です。
当時の観光ガイドだけでなく、地元の大手新聞ホノルル・スターブルティン紙などにも広告を出し、アメリカ本土からの観光客やハリウッド俳優達が「ミヤモト」の仕立てたシャツやローブを注文していくほどになっていったそうです。
文法が間違った滑稽な英語の不思議なインパクトと、下駄を履いた笑顔の日本人のイラストが受け、アロハシャツのルーツをたどっていく中では欠かせないブランドとなっていきました。
涼し気なプルオーバーのアロハシャツ、少しハズシ感をミックスしてクッシュマンのスウェットショーツに合わせてみました。
リゾートホテルの夕食、テラスでのバーべキュウとかにどうですか。
お盆の移動もこれなら楽ですね。
スウェットショーツ+アロハシャツは、ワクワクするし楽なコーディネートです。
足元は好評クッシュマンのレトロなスニーカーのオフホワイトです。
デニムパンツに合わせてみました。
パンツはジェラードの55デニムです。
ワイドなジーンズにプルオーバーのアロハシャツ。
ハットはMr.Fatmanの「J.D PISTOL」 です。
どことなく単色の涼し気な浴衣を思わせる様な素敵なデザイン、祖国日本を思いながら現地ハワイで暮らす移民で渡った人たちの思いが伝わってくる一着です。
デザインの描かれ方やプリント、シャツのディテールなどから最初期に製作されたものであるとわかるレアな一着を実名復刻。
背景も含めて忠実な実名復刻としての楽しみもありますが、アロハシャツとして見ても色合いやデザインともに一味違うオシャレ感がありますよ。
是非実物をご覧ください。