先日入荷の話題のデニムジャケットをご紹介しましょう。
ジェラードのラストリゾート「黒タグ」デニムで作られた1thタイプのGジャンです。
先ずはラストリゾート「黒タグ」についてご説明を。
「ラストリゾート」はXXのデットストックを分解解析して、糸の太さ、繊維長の長さ、撚り回数をなど科学的に解析して作った糸で織りあげたデニムです。
この糸を使って50年代のデニムを再現したのが「白タグ」で、主に47年モデルジーンズ(後期)と52年以降の55モデルジーンズとセカンドのGジャンが作られました。
今回作られる黒タグはより古い40年代の色を追求しています。
40年代(もちろんそれ以前も)はまだ綿から糸を作る段階で不純物も多く含まれ、本来白の緯糸(横糸)も50年に比べ白に染まりきらず生成りに近いもので、さらに径糸(経糸)もむら感が強いものでした。
その糸から作られるデニムは50年代の物より黒味の強い物で、今回作られる「黒タグ」はそんな40年代の黒味のあるヴィンテージデニムを再現した物です。
上が「黒タグ」下が「白タグ」です。
「白タグ」より黒味がありむら感も強く荒々しい印象です。
「白タグ」のように綿の脂肪質などの不純物を取り除かず、さらに深く染めることで黒ずんだ濃い色合いを出しているため、デニムの重さも「白タグ」の14オンスに対して「黒タグ」は15オンスになっています。
この新シリーズは黒いラベルなので「黒タグ」と呼び、それに対して今までの物は白いラベルなので「白タグ」と呼ばれています。
この「黒タグ」のラストリゾートデニムで作られたのがこのGジャンです。
「ジェラード ラストリゾート 「黒タグ」407EXX JP94407E」 です。
形はジェラードが所有するヴィンテージを基に再現した片ポケットの1thタイプです。
1900年代初頭から52年まで作られた初期のデニムジャケット(Gジャン)です。
パンツでいうところの47年前期モデルまでのデニム生地として黒タグを作っているので、年代的にはジャケットは1thになります。
2ndに比べて離れている襟は、より古臭さを感じさせます。
プリーツを留めるボックスステッチがボタンの高さが微妙にずれます。ちなみに2ndは大きくずれてボタンの間にありますよ。
よく見ると左身頃のプリーツステッチは縫い始まりと終わりが上で、右身頃は下が縫い始まりと終わりになっています。
5つあるフロントボタンは、メッキ仕上げのオリジナル鉄製ボタン。
フラップ付きの片ポケットに、赤タグは片面刺繍のレーヨンタブ。
2ndは外側のカフスのボタンは1thは内側に。
1thは袖付けが平置きするとT型になりますが、このあたりも着用しやすい程度に踏襲して製作していますよ。
スッキリとした感じが古いデニムの作業着感を漂わせます。
後ろです。
ヴィンテージ同様に大きなサイズは生地幅が不足する為、生地を継ぐTバック仕様となっています。
XS~Mは一枚でL~XXLがTバックです。
こちたがL以上のTバック。
バックストラップは1thの前期のバックルの針刺しを再現。
左が「黒タグ」右が「白タグ」です。
「黒タグ」ほうがむら感がありますよ。
デニムの端はセルビッチ付きです。
リベットは銅ずくのオリジナルリベット。
この黒いラベルから「黒タグ」と呼ばれています。
オリジナルのレザーパッチです。
インクの載りにくいホースハイドを使用することで個体差を出しています。
レザーの変化も楽しめます。
先日入荷の同じデニムを使ったジェラード「黒タグ」のデニムパンツ301EXXと合わせてデニムオンデニムです。
黒味のあるデニムと1thのシンプルな佇まいのセットアップが、なんともいい感じですよ。
オーバーサイズでもジャストでも様になると思います。
47年前期モデルのデニムパンツ301EXXはジャストで穿けばスッキリとしたシルエット、こちらは1サイズ大きめで穿かせてみました。
もちろん41カーキ等のチノパンツやミリタリーパンツにもとてもよく合うのは言うまでもありません。
ジェラード渾身のラストリゾートの新ライン「黒タグ」は、15オンスでありながら柔らかく穿きやすい感じは白タグと同じです。
黒味のある色合いやむら感のある生地感、ファースト独特のディテールやサイズ感、是非実物を見て着て感じてみて下さい。