皆さん、こんにちは。6月になりました。新緑が眩しいですね。先日診療所の植栽も、剪定を行いました。植物も風通しをよくしないと、害虫などが繁殖しやすいときいているので、頑張りました。

 

さて、今回の院長ブログは、治療終了のご報告です。

初診時年齢36歳の女性です。主訴は下唇の前突を改善したい、とのことでした。

これが初診時のお顔の写真です。一見した感じでは、そんなに著しくはないように思いますが、そう言われると上よりも前方にあります。

 

これがお口の中です。凸凹も若干見られ、部分的に反対咬合の部分もありました。

 

パノラマ写真です。歯の質が弱いようで、過去に虫歯がかなりあり、神経が無い歯や、かぶせ物がとても多くありました。人工物は接着剤がよく剥がれて、治療が停滞気味になることがありました。矯正治療の条件としては厳しかったです。

 

横顔のレントゲン写真です。分析結果では、骨格のバランスは問題ありませんが、上下の前歯は平均範囲を超えて前方への傾斜が確認できました。

 

治療方針は、上顎は両側の第一小臼歯、下顎は両側の第二小臼歯を抜歯して、上顎にアンカースクリューを植立し、ブラケットを用いて治療を行うこととしました。

 

治療開始時の写真です。アンカースクリューを植立して、上下にブラケットを接着した状態です。この抜歯スペースに前歯を後方移動していくこととなります。

 

治療開始から1年経過時です。少しづつ抜歯スペースが少なってきています。

 

治療開始から2年経過時です。かなり良くなってきていますが、スペースが残っている状態でした。

このあと、1年1か月して治療終了となりました。動的治療期間は3年1か月でした。

治療前後の写真を並べてお見せします。

 

正面と斜めのお口の写真です。抜歯スペースも閉鎖して、反対咬合も改善しました。

 

上下のかみ合わせの面です。綺麗に配列ができました。

 

これは治療後のみですが、内外側的にも適切に配置できました。

 

正面のお顔の写真です。初診時に気にしていた下唇も綺麗に下がったように見えます。唇の厚みも薄くなり、横幅も改善したよう見えます。

 

斜めと横顔の写真です。とてもバランスが良くなったと思います。

 

パノラマ写真です。歯根の吸収像も認められませんでした。

 

横顔のレントゲン写真です。前歯、特に下顎前歯の後方移動が著名です。これにより下唇が後退したんだと思われます。

軟組織のプロファイルは、非常にバランスがとれた綺麗なラインになったと思います。

 

治療終了おめでとうございます。はじめ、下唇の改善が主訴だったので、前歯を後退すればある程度改善するとは思われたものの、満足できるレベルまで到達する保証はなく、できる限りのことするだけでした。私的にはバランス良く終了できたのではないかと思っています。ただ、審美的なことには基準、正常値というものがないので、評価ができません。ここが悩ましいところですが、日々頑張っていこうと思います。ブラケットが外れたり、スペースがなかなか閉じないなど、苦戦した部分もありましたが、今後もリテーナーで頑張りましょう。お疲れさまでした。

 

それでは、6月、梅雨もあるでしょうが、元気に行きましょう。

 

●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。

●今回の総費用:73.5万円(治療期間3年1か月)

●治療における一般的なリスクについて

 治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。

●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。