皆さん、こんにちは。2月となり、ついこの前お正月だったと思うと、時間が経つのが早いです…。

さて、今回の院長ブログは、治療終了の患者さんのご報告です。矯正治療開始してすぐに妊娠されて、つわりがひどく、途中治療が半年間ストップしたり、出産前後も治療がお休みになったりと、大変でした。

 

25歳の女性で、主訴が上顎前突でした。笑った時の上顎前歯の前突は確かに気になります。

 

しかし、口唇を閉じるととても綺麗な口元でした。こんなパターンもあるんですね。

 

口腔内写真です上下とも前歯部に凸凹が認められました。臼歯部は綺麗に咬合していました。

 

横顔のレントゲン写真です。骨格には問題はありませんが、前歯は上下とも前方への傾斜が強いことがわかりました。

 

治療方針は、上顎は両側の第一小臼歯を、下顎は両側の第二小臼歯を抜歯して、ブラケットを用いての治療としました。歯は前方傾斜していますが、唇のバランスはいいので、成人症例でよく使用しているアンカースクリューを、この患者さんに使用すると、口元が下がりすぎるリスクがあると感じたので、特に今回は使用しませんでした。

 

4本の抜歯が完了して犬歯から後方にブラケットを接着して治療を開始したところです。

 

この後すぐに妊娠がわかりました。通常は妊娠されても治療は継続できます。ただこの方はつわりが強くて、とても治療はできない状態でした。幸い装置を外すことはなく、症状が治まるまで待つしかありませんでした。

半年ほどで、回復してきて治療が再開となりました。

 

治療開始から1年経過時点です。スペースも徐々になくなり、前歯のコントロールも始まっています。

 

治療開始から3年経過時点です。スペースもほぼなくなり、最後の仕上げを行っています。

その後4か月して治療終了となりました。治療期間は3年4か月でした。つわりと、出産で9か月間お休みでしたから、実質的には2年7か月です。治療前後の写真を並べます。

 

前歯部の前方傾斜が改善しました。横の歯も初診時に負けないぐらいきちんと噛んでいます。

 

かみ合わせの面です。抜歯スペースは閉鎖して凸凹も綺麗に再配列しました。

 

これは治療後のみの写真です。内外側的にも適切に配置しました。

 

正面からのお顔の写真です。笑顔での歯の見え方は別人です。

 

斜めと横顔です。前歯は少し後方へ移動したので、その分口元も若干後方へ移動しましたが、よりバランスがよいと思います。口元が下がりすぎることもありませんでした。

 

パノラマ写真です。根吸収なども認められませんでした。親知らずは、抜くかどうかこれから考えます。

 

 

横顔のレントゲン写真です。微妙ですが、前歯が上下とも後方へ移動して、唇も少し後方へ移動しました。よりバランスは改善したと思います。

 

治療終了おめでとうございました。妊娠がわかり、つわりがひどかったのは想定外でしたね。でも無事に終了できてほっとしました。頑張って通院してくれました。ばっちり仕上がっています。何でもばりばり噛めます。まだ不安定ですので、リテーナーの使用は怠りの無いようにお願いします。お疲れさまでした。

 

治療中に出産がある場合は、今回のように思いもよらないこともありえます。通常は、レントゲンなどは撮影せず、抗生剤なども投与を控え、矯正治療は普通に進めていきます。出産前後の3か月ほどお休みして、また再開となります。参考になればです。

 

●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。

●今回の総費用:66万円(治療期間2年7か月)

●治療における一般的なリスクについて

 治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。

●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。