皆さん、こんにちは。いよいよ12月も終盤、クリスマスの飾りつけが街中に見られ、当院のBGMも毎日クリスマス関連の音楽が流れています。ウクライナ紛争も年を越しそうです。コロナも増加しても制限はかなり緩くなってきました。同じ様にクリスマスを迎えながらも、世界や世間はどんどん変化しているのを実感します。来年はどんな年になるんでしょうかね。

 

さて、今回は令和4年の締めのブログとなります。先日動的治療が終了された成人女性のご報告です。

31歳の女性、上顎前突と叢生が主訴でした。

お口の写真です。上顎前歯の前方傾斜がわかります。前歯部には上下ともに凸凹が認められます。

 

お顔の写真です。

口元の前突感が強く、口唇閉鎖も困難でした。笑顔の時の前歯の見え方も気になります。

 

既に神経の無い歯も多数ある状態でした。

 

横顔のレントゲン写真です。骨格的には垂直的には長い傾向を認めましたが、前後的には問題はありませんでした。また上下の前歯はともに前方へ傾斜している事がわかりました。

 

治療方針は、上顎小臼歯2本、下顎小臼歯2本の計4本抜歯して、上顎には両側にアンカースクリューを植立し、マルチブラケット法で前歯の後方移動を行いながら治療していくことと致しました。

 

上顎の抜歯が終わり、スクリューと犬歯から後方の歯にブラケットがついて、移動開始した時の写真です。

 

次に下顎の抜歯が終了して、下顎も犬歯から後方の歯に装置をつけて治療が始まりました。

 

治療開始から1年です。

前歯にもブラケットが張り付けられました。スペースは大分少なくなってきています。

 

治療開始から2年です。

ほとんどスペースは無くなり、最後の仕上げをしている段階です。

 

その後半年して、動的治療期間2年6カ月で治療終了となりました。治療前後の写真を並べます。

正面横の写真です。前方傾斜も改善し、綺麗に咬んでいます。

 

咬み合わせの面です。凸凹も綺麗に治り、抜歯スペースも閉鎖しています。

 

これは治療後のみです。内外側的にもばっちり咬んでいます。

 

正面、斜めの顔の写真です。口元が下がって、口唇が閉じやすくなっています。

 

歯根の吸収なども見られませんでした。

 

横顔のレントゲンです。前歯が後方移動して、軟組織プロファイルは改善しました。

 

治療終了おめでとうございます。きちんと通院してくれたおかげで、非常に順調に進みました。治療開始の時に、年齢を気にされていましたが、あのまま過ごしていたら、どんどん虫歯や歯周病が増えて、口も乾きやすく風邪などもひき易い状態で、健康状態が悪化して行くこととなったでしょう。3年は我慢ですが、お金では買えない健康な状態を手に入れることができました。決して遅すぎることなどありませんし、恥ずかしいことでもありません。これからは自信をもって笑顔になっていただきたいと思います。お疲れ様でした。

 

成人になってから、矯正治療を決断するのは、みなさんにとって大きな壁です。まわりから、なんで今更とか、お金の無駄とか、心ない言葉を言われる場合もあります。でも歯医者からすると、このままでは近い将来、虫歯治療や人工物を入れようとしても、何を入れても外れてきたり、清掃が旨く出来ないので、また継ぎ目から虫歯ができたりして、歯で苦労することは分かっています。でも一般の人は、わかりません。本人の悩みも、共感してもらえない。孤独で悩むことが、多いのが実情です。でも健康になる事にためらう事はありません。壁を乗り越えて、健康になって頂ければと思います。それでは、今年のブログは終了となります。皆さま、素敵なクリスマス、年末年始をお迎えください。来年も宜しくお願いします。それでは。

 

●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。

●今回の総費用:65万円(治療期間2年6か月)

●治療における一般的なリスクについて

 治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。

●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。