皆さん、こんにちは。9月も中旬をすぎて秋の気配です。虫の鳴き声が季節を感じます。

 

さて、今回の院長ブログは治療終了のご報告です。

25歳の女性で、小学校から中学校にかけて小臼歯4本抜歯してブラケットによる矯正治療を終了したのですが、その後の成長や親知らずの影響で、開咬・反対咬合が強くなり、顎関節に運動障害や雑音、疲労感などが出るようになり、当院を受診されました。

奥歯しか咬めていません。これでは関節が痛くなってもおかしくありません。サンドイッチのパンは咬めてもレタスは咬み切れない状態です。麺類を前歯で咬み切る事もできません。

咬み合わせの面です。凸凹は大したことはありませんが、下顎は一番後ろから親知らずが見えており、時間をかけて歯列を前方へ押し出した可能性があります。

 

笑顔での歯の見え方もお口を空けているように思えます。横顔の唇の位置は問題はありませんでした。

 

パノラマ写真です。上顎に親知らずはありませんが、下顎には存在しています。

 

治療方針は、下顎の親知らずをまず抜歯して、マルチブラケットを装着して治療することとしました。

 

上下にブラケットを接着しました。

 

徐々にワイヤーを太くしながら、両側に斜めのゴムを、食事以外ほぼ24時間の装着を指示しました。この力で下顎歯列全体を後方へ移動します。

 

治療開始から1年1カ月で治療が終了しました。予定は2年でしたが、予想以上に早く歯が動きました。

治療前後の写真を供覧します。

正面・横の写真です。奇麗に山と谷が咬み合い、ばっちりの咬合となりました。

 

咬み合わせの面です。もともとそんなに悪くなかったので、大きな変化はありませんが、奇麗に配列完了しました。

 

これは治療後のみですが、内外側的にも適切に配列がなされています。

 

正面の顔写真です。口を閉じた状態は変化はありませんが、笑顔での変化は歴然です。

 

斜めと横のお顔の写真です。同様の変化でした。

 

パノラマ写真です。根吸収なども見られませんでした。

 

横顔のレントゲン写真です。今回は前歯の位置は上下的に変化したので、口元はほとんど同じです。

 

治療終了おめでとうございます。凄く早く終了できました。ゴムを頑張った成果ですね。顎関節の状態も全く消えたわけではありませんが、10分の1ぐらいに減ったとの事を聞いて、ほっとしました。やはり咬み合わせが安定すれば、顎関節への過剰負荷が減り、症状が改善されることは期待していましたので、良かったです。今後も安定するように経過を見ていきましょう。お疲れ様でした。

 

それでは今回の院長ブログはこれまでです。皆さまお元気にお過ごしください。

 

●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。

●今回の総費用:60万円(治療期間1年1か月)

●治療における一般的なリスクについて

 治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。

●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。