皆さん、こんにちは。新型コロナが日本全国に緊急事態宣言をださせるまでに猛威をふるっています。見えない敵との戦いは容易ではなく、長期戦を覚悟しないといけなくなってきましたね。なんとか各自、感染防止対策&行動で自分や家族、周囲の人を守るようにしましょう。早く治療法やワクチンの実用化を望むしかないですね。

徳島県は幸い感染者がほとんどいない奇跡的な状況とはいえ、県外ナンバーの車も多く見られ、周辺から遊びにきているようですので、いつ集団発生や個別感染があってもおかしくありません。祈るような気持ちですが、不安に押しつぶされずに、必ず明るい未来が待っていると強く信じて、日々生きぬきましょう。

体の免疫力もそうですが、メンタルも強くないとこの闘いに生き残れないように思います。私は世界全面核戦争が起きているよりは全然ましだわ、って思いながら日々暮らしています。ただ、申し訳ないと思うのは、感染患者さん達を検査・治療している保健所の方や医療従事者たちは命を張って、ろくろく休めずにずっと最前線で闘っている、戦争に例えれば兵士さん達だと思うと、後方の安全地帯で仕事をしていることに若干の罪悪感も感じてしまいます。変わる事もできませんし、敬意をはらうぐらいしかできません。自分の身や家族、スタッフを守るのが精いっぱいです。彼らが感染して、差別を受けるようなことは断じて許されないと思いますが、実際は感染していなくても、治療にあったているだけで、家族や子どもが差別を受けていると言う報道も耳にすると、いたたまれないです。

皆、いっぱいいっぱいですが、寛容・友愛・互敬・互助の精神を忘れずに誇り高く生きていきたいと思います。

 

さて、前振りが長くなりましたが、今回の院長ブログは治療終了のご報告です。

24歳の女性で、小さい頃上顎前突の矯正治療を少し行いましたが、改善が十分ではなく、改めて治療を行いました。

主訴は上顎前突の改善でした。

笑顔での前歯の突出は気になります。

アーチフォームは概ね良好ですが、下顎前歯が2本ありません。横からの写真でも上顎前歯の前方傾斜が目立つ事がわかります。

 

上顎の小臼歯に神経の無い歯が2本ありました。

 

横顔のレントゲンでも前歯の前突傾向が認められました。

治療方針は上顎は神経の無い小臼歯を左右で2本抜歯し、スクリューを植立し、後方の大臼歯が前に来ないようにして、ブラケットを用いて上顎前歯の後方移動を図ることとしました。

 

まず左右にスクリューを植立しました。麻酔をするので痛みはありません。

 

治療開始から7か月時点です。

上顎の抜歯スペースは半分以上閉鎖してきています。下顎は抜かずにそのままの位置で並べています。

 

治療開始から1年2か月時点です。大分上顎の抜歯スペースが無くなった段階です。

まずまずの状態ですが、お顔の変化がこれです。

改善は感じますが、上の歯ぐきの見え方が今一つ良好ではないと思われ、スクリューを上顎前歯部に追加して、上顎前歯を上に移動することとしました。

 

治療開始から1年9カ月。前歯にスクリューを打ってからは5ヶ月後です。

上顎前歯は大分上に移動しました。お顔の変化がこれです。

かなり改善が認められましたが、まだ唇の閉じにくさが残っているので、歯列を全体を後方移動する事にチャレンジしました。今までやったことが無い方法でした。

下顎の歯列のさらに後方にスクリューをセットして、全体を後方へ移動する方法です。上顎は内側にセットして、ゴムで牽引して後方移動を行ってみました。

 

さらに6カ月、治療開始からは2年5カ月で治療を終了しました。治療前後の比較写真です。

抜歯スペースも閉鎖し、正中線も一致させました。前方傾斜した上顎前歯も奇麗に改善しました。

これは治療後ののみの写真ですが、内外側的にも適切に接触関係がとれています。

 

口元も楽に閉じられるようになり、前歯の突出も無くなり、とてもエレガントな口元になったと思います。

 

治療前後のパノラマ写真です。上顎前歯が骨内へ押し込められたため、若干先端に吸収像が認められました。

 

前歯の後方移動により口元のシルエットが改善しました。

 

治療終了おめでとうございます。打った事が無い所にたくさんスクリューを打ちましたが、うまく仕上がってほっとしています。これからはリテーナーをしっかり使って、食事の時は良く咬んで、安定させていきましょう。お疲れ様でした。

 

それでは今回の院長ブログはこれまでです。皆さん、移動制限、自粛守って感染封じ込め頑張りましょう。

 

●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。

●今回の総費用:65万円(治療期間2年5か月)

●治療における一般的なリスクについて

 治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。

●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。