皆さん、こんにちは。1月も半分を過ぎて、お正月気分も抜けてきました。
さて、今回の院長ブログは、治療終了の方がいらっしゃいますので、そのご報告です。
タイトルのように、上顎の犬歯が1本骨内に眠っている状態で、他には虫歯で第一大臼歯が3本根っこのみで、その他にも第二大臼歯が1本、第二小臼歯が1本根っこのみでした。
上のレントゲンで、横向きの犬歯と、歯がない部分がわかりますでしょうか。
口の中の写真はこんな感じです。
とりあえず、第一大臼歯3本の残根と第二小臼歯の残根は抜歯してもらい、精密検査となりました。
大臼歯が無くなってぽっかりスペースができています。上下の真ん中もずれています。
左側ですが、上の大臼歯が伸びきて下の歯ぐきを咬みそうです。これがやっかいでした。
上顎は凸凹は気になりませんが、実は右側の犬歯が歯ぐき内に隠れていました。
下顎は中程度の凸凹でした。左の第二大臼歯は残根でしたが、何とか残して前に移動することとしました。
治療方針は、まず犬歯はあきらめて抜歯としました。またミニスクリューを左の上の内側と外側の両方に打ち込み、垂れ下っている大臼歯を持ち上げることとしました。
その他は、残根で抜歯したスペースを閉じることになりました。
まずはスクリューをセットです。
5ヶ月後です。少し大臼歯が持ち上がり始まっています。
さらに3カ月経過時のレントゲンですが、左上の親知らずを抜歯しておけばよかったとこの写真をみて思いました。
大分大臼歯も持ち上がってきました。
治療開始から10カ月して、下顎の横にブラケットを装着しました。
いよいよ第二大臼歯の前方移動の開始です。左側は無事持ち上がったので前に持ってくることができました。
治療開始から1年半です。大分スペースが詰まってきました。
さらに1年、治療開始から2年半で治療終了となりました。
治療前と治療後並べて供覧します。
治療前 治療後
ずれていた真ん中も一致しました。
横の歯も山と谷が奇麗に咬みました。左側の落ち込んだ大臼歯も持ち上がり、下顎の第二大臼歯と咬合しました。まだ下顎は仮歯ですので、この後に、きちんとしたものを被せて、上とさらに緊密に咬合の予定です。
治療前 治療後
咬み合わせの面です。隙間も完全に閉鎖して奇麗なアーチとなりました。
これは治療後のみですが、適切な接触関係が構築できました。
治療前 治療後
顔の写真です。もともと悪くはありませんでしたが、よりバランスが良い感じとなっています。
治療前 治療後
斜め、横顔でも良い感じです。
治療前
治療後
斜めの犬歯は無くなり、スペースもなくなりました。ただ親知らずが傾いたままです。
当初はこれが利用できればと期待していましたが、現状では厳しい状態です。
治療前 治療後
横顔のレントゲンです。前歯が少し後方に入り、口元のシルエットは奇麗になっています。
感想を書いていただきました。
治療終了おめでとうございます。初めは犬歯は横向いているわ、大臼歯が根っこしかないし、残った大臼歯も下の歯ぐきを咬むぐらい下がってしまい、これは長くかかると覚悟しましたが、凄く早く終わりました。親知らずをコントロールするつもりでいたので、その分早くなったこともあります。インプラントなど人工物を埋め込むことなく、天然の歯の根っこだけの歯列となり、とても良く咬めると思いますよ。お口の中の年齢はかなり若返りましたよ。外す日に下の前歯に少し乱れが出ていて心配ですが、リテーナーで調整します。これからも頑張って通院してください。お疲れ様でした。
歯は、咬む相手がいなくなると伸び出してくるというおもしろい性質があります。今回の左の大臼歯が典型例です。こうなると入れ歯も作れないのです。矯正で歯を動かすという手段が最も効果的ですが、難しい動かし方であるため矯正医には相当のプレッシャーがかかります。今回はうまく行ってほっとしています。
それでは、今回の院長ブログはこれまでです。皆さん、お元気にお過ごしください。
徳島の歯列矯正治療専門医院 藤崎矯正歯科クリニック
当院のホームページ http://fujisaki-kyousei.com もご覧ください。
総費用:65万円
治療中または治療後に、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正
顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなどのリスクがあります。
感想の内容は個々人によりそれぞれです。同様の効果を保証するものではありません。