皆さん、こんにちは。今年の台風は強力です。18号の久米島の電柱が折れている写真は、見た瞬間に恐怖を感じました。自然の猛威と供に生きていかなければならない覚悟が必要ですね。各自ができる範囲の防衛準備をして、被災時には協力しあう精神が求められますね。

 

さて、今回の院長ブログは、治療終了の患者さんがいらっしゃいますので、そのご報告です。

16歳と若い高校生でした。右側の横の歯が2本(小臼歯)、それと見えにくいですが、両側の一番奥の歯(第二大臼歯)も内外側的にずれていました。

こんな感じです。

 

初診時の1年前から痛みや雑音が出始めていたとのことです。普通この若さで関節の痛みが出ることはまれです。初診相談に来られて、治療の概略を説明しましたが、まだ決断がつかなということで、しばらく考えていました。しかし4ヶ月後にさらに痛みが強くなり、つらさも増したので、矯正治療を決断されました。ただし、関節症状が必ず治る保証はできないことはお話ししました。

 

初診時の写真です。

真ん中も下顎は少し左に偏位していました。

横から見た歯の前後的位置関係はばっちりOKでした。

でも下から見ると内外側的にはズレガあります。よく見ないとわかりません。

咬み合わせの面です。一見歯並びはよさそうです。でも奥歯は微妙にずれています。上顎は最後方の歯が外へ開いています。逆に下顎では内側に傾斜気味です。

顔つきには問題は感じません。

 

レントゲン写真では親知らずが4本あることがわかります。

前歯の位置は悪くない状態でした。治療方針は第二大臼歯を移動しやすくするために、親知らずは抜いていただきました。あとはブラケットを付けて並べる方針としました。

 

治療期間は1年10カ月でした。以下に治療前と治療後を掲載します。

治療後は顎関節の痛みや雑音も消失して、今のところは上出来です。

 

        治療前                治療後

真ん中も奇麗にあいました。

横の歯の咬み合わせも崩れることもなく仕上がりました。

        治療前                治療後

奥歯の乱れも奇麗に直りました。

 

        治療前                治療後

下から見た角度からも、内外側的な配置も完璧です。

 

        治療前                治療後

顔つきはもともと悪くありませんでした。ほとんど変化は見られません。

 

治療前

 

治療後

親知らずが無くなりました。根吸収なども見られませんでした。

 

        治療前                治療後

横顔のレントゲンです。大きな変化はみられません。

 

感想を書いてい頂きました。

 

治療終了おめでとうございます。最初は矯正なんかやりたくないモードが、強く感じられましたが、結局痛みが強くてそうは言っていられなくなりましたね。まだ若いので、顎関節も大きな障害は残っていないと思います。途中では顎に痛みが強くなったりと、大変でしたが、後半は症状も消えてきて、楽になっていった気がします。これからはリテーナーで守っていきましょう。お疲れ様でした。

 

ここで、ちょっと振り返って、この症例における私の推測をお話しします。

下の写真を見ていただくと、青いラインが初診時は左上がりで、治療後は水平になっています。

 

        治療前                治療後

        治療前                治療後

これは正面からのレントゲン写真です。いつもはお見せしませんが、精密検査時には必ず撮影しています。この写真でも下顎の傾斜が同様に変化しているのがわかります。

 

患者さんは右の小臼歯2本が内外にずれて咬めていませんでした。さらに第二大臼歯も同様にずれていて、臼歯は第一大臼歯のみが咬んでいました。左に比べ咬めていないわけです。それにより右の歯がどんどん沈んでいく、咬み合わせの高さがどんどん小さくなっていったといえます。その結果があの傾斜だと思います。咬む力を右の歯では支えきれないので、顎の関節にも右側には大きな負荷がかかります。この患者さんは右の顎だけが痛かったのです。歯のずれが咬む力の左右のバランスを崩し、ついには顎関節の痛みにまで発展していったと思われます。

そうなると、左右対称の咬合が付与された今後は、症状は消失したままでいてくれる可能性が高いとも言えます。しかしこれは後付けの推測です。初診時にはわかりません。今後ストレスや歯ぎしりで過剰負荷がかかってまた発症するかもしれません。ここが生き物の難しいところです。個人差に関しては読めません。

色んな経験を積み上げて、より質の高い治療結果を残せるように頑張ります。

それでは、今回の院長ブログはこれまでです。皆様お元気にお過ごしください。

 

徳島の歯列矯正治療専門医院  藤崎矯正歯科クリニック

当院のホームページ http://fujisaki-kyousei.com もご覧ください。

 

 

総費用:65万円
        治療中または治療後に、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正
        顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなどのリスクがあります。

    感想の内容は個々人によりそれぞれです。同様の効果を保証するものではありません。