皆さん、こんにちは。もうすぐ5月が終わり、梅雨の6月ですね。最近は診療室もドライ運転が多くなりました。

 

さて、今回の院長ブログは、治療終了のご報告です。

 

初診時年齢11歳の女子です。以前の医院でチンキャップ(就寝中に帽子のようなものを被って顎にあてたカップと帽子をゴムで連結した装置)を用いて骨格性下顎前突傾向の治療が継続中でした。

   



毎晩10時間程度頑張ります。大変だと思いますが、よく頑張っていました。口の中は、まだ乳歯も残っており、しばらくはチンキャップだけで通院していきました。

1年半ほどして、永久歯列になりましたので、いよいよブラケットをつけてワイヤーで歯を動かす治療に入りました。その時の写真です。

顔つきは、特に問題を感じません。



口の中は、前歯部に少し凸凹がありますが、程度は強くありません。ただ、横から見ると、前歯が内側へ倒れ込んでいる感じがします。これがチンキャップのカップの上の部分が、どうしても歯を押すためだと思われます。

横顔のレントゲン写真分析でも、下顎骨の前方位はあります。前歯は上下とも内側に傾斜が明らかでした。


パノラマ写真です。第二大臼歯はありますが、まだ生えていません。まだ身長もどんどん伸びる時期なので、後方にスペースは徐々にできてくるだろうと思っていました。

 

診断は、チンキャップは使用しながら、非抜歯でブラケットをつけてワイヤーで2年~2年半で治していく治療計画としました。ただし、条件として、口元の突出感がでたり、第二大臼歯が生えてこないなどの問題が出てきたら、小臼歯を4本抜歯に切り替えることも説明をして、計画書にも赤字で書いておきました。

 

 

治療開始から1年5ヶ月の時点です。

 

一見綺麗に並んできましたが、上下の正中線が3ミリほどずれております。



それと、第二大臼歯が生えてこないんですね。上の写真の赤丸のところです。下顎は半分が見えてきたのですが、そこですっと止まっているんですね。上顎はもうほとんどスペースが無い状態です。

初診時
 

 

1年5ヶ月時

 

パノラマレントゲンで初診時と比較しても赤印の歯は、動きが悪ことがわかります。

 

そこで、想定した状況とは違い、厳しい状態なので、小臼歯の4本抜歯をお勧めして、納得していただきました。



かわいそうでしたが、こんな感じで抜歯をさせていただきました。

 

 

この後、なんと3年4ヶ月かけて治療終了となりました。理由はかねてから生えてこなかった左上の第二大臼歯がとにかく遅かったんです。一時は歯茎を切って取り除いて、萌出を促さないとだめかと思い、手術の予約までしようとした時に、何とか自力で生えてきたんです。とにかく待って、待っての長い期間でした。

 

 

以下に1年5ヶ月時と治療後を供覧します。

 

 

           1年5ヶ月時                     治療後

ズレていた真ん中も綺麗にあいました。

           1年5ヶ月時                     治療後

 

横の咬み合せもばっちりです。

           1年5ヶ月時                     治療後


咬み合せの面です。赤印の問題の歯も、綺麗に並びました。抜歯スペースも閉鎖されています。

 

これは治療後のみです。内外側的にも適切に接触しています。



           初診時                       治療後

 

 

                  初診時           治療後
             
             
                    

 

斜め、横顔も12歳から17歳と、より大人っぽい顔つきとなり、同時にバランスのとれた美しい口元になりました。

初診時

 

治療後

 

パノラマ写真です。歯根吸収なども見られませんでした。

            初診時                       治療後

横顔のレントゲン比較です。口元の変化がわかります。



感想を書いていただきました。
 

 

治療終了おめでとうございます。本当に長かったですよね。初めは2年半で終わると思ったのですが、結局4年9ヶ月もかかってしまいましたね。第二大臼歯が予想に反して降りてこなかったので、申し訳ありませんでした。でも前医からのチンキャプは10年ですか。本当にお疲れ様です。でも、凄く綺麗に仕上がりましたから、お許しください。まだ親知らずもいますから、油断せずに行きましょう。お疲れ様でした。

 

 

誰しも抜歯はしたくないので、非抜歯で進めることもありますが、今回のように、最後方の第二大臼歯が埋まってしまい、噛めない、生えてこないというケースも出てきます。ここから抜歯に切り替えることになりますが、そうなるとトータルの治療期間は、ぐんと伸びてしまいます。ここの判断は、正直言いまして専門家でも難しいです。今回のように、時間はかかりますが、きちんと直していきます。

 

 

それでは今回の院長ブログはこれまでです。皆様お元気で。

 

 

 

徳島の矯正歯科治療専門医院  藤崎矯正歯科クリニック

 

 

当院のホームページ http://fujisaki-kyousei.com もご覧ください。

 

総費用:65万円
        治療中または治療後に、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正
        顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなどのリスクがあります。

    感想の内容は個々人によりそれぞれです。同様の効果を保証するものではありません。