皆さんこんにちは。ニコニコ一昨日のバレンタインデー恋の矢は最高気温が20度をゆうに超えてメラメラ信じられない熱さでしたね。2月中旬とは思えませんでした。びっくりでした目。皆さんのチョコチョコレート収穫はいかがでしたか。私は後輩の先生からいただきましたグッド!。貴重でしたよ。残念ながらそれだけでありました汗。妻も娘からもチョコのチョの字もありませんでした。まあそうだろうとは思っていても、現実にそうだとやっぱりそうか・・・ってちょっとがっかりガーンですかね。


さて今日のタイトルは、矯正治療における抜歯は是か非か?ということにしました。

なかなか矯正においては本質的なテーマです。治療を受けようかと考えている人にとってはすごく気になるテーマでしょう。診断で抜歯が必要といわれた人は何とか非抜歯でできないのかと感じた人も多いと思います。このテーマ皆さんはどう思われますか? 実は残念ながら専門家の中でも意見は統一されていません。まあ私の意見を今日は述べますね。


ウェッブ上で矯正歯科医院のホームページを検索すると、「絶対に歯を抜かない」とか「できるだけ歯を抜かない」などの宣伝文句が前面にでているものが目を引きます。だれしも永久歯を抜かずに治るならそれがいいに決まっています。絶対に抜かずに、最高に治してくれるのなら、それが一番です。ただそれが本当に最高品質の治療結果に治しているのかということがポイントです。


盲腸の治療で、手術は是か非か? 皆さんはどう思われますか? 

モルヒネは是か非か

睡眠薬は是か非か

投資信託は是か非か

恐ろしく切れる刀は是か非か


盲腸の治療を考える時、手術をしないで投薬のみで治るケースなのか、手術をしないと治らないケースなのかは、検査をして診断をつけてから、それで決まるわけです。だれしも健康な体にメスをいれずにきちんと治るなら手術などしたいとは思いません。つまり、手術が是か非かという問題ではなく、診断の結果、手術が適応か否かが決まるわけです。


モルヒネは麻薬です。中毒患者は廃人となってしまう恐ろしい薬というダーティイメージがあります。そこだけに着目すると非ですね。でも、末期がん患者の激痛を抑えるにはモルヒネしかないという一面もあるのです。そこに着目すれば是なのです。


睡眠薬も多量に飲めば自殺の道具ですが、不眠で悩む人には適切に使用できればありがたい薬となるわけです。


金融危機の真っ只中では、投資信託で虎の子を大きく減らした人も多いようです。その人たちからみれば投資信託なんて悪魔のような商品といえるでしょう。でも本当にどんな時も損をする商品なのでしょうか。そうではないと皆さんわかっているはずです。


恐ろしく切れる刀も、聞いただけで悪と決めつけてしまいそうですが、自分が命がけで斬り合いで戦わなければいけない状況になった時、これがあればどんなに心強い武器になるか。


くどくど書きましたが、何を言いたいかというと、上に挙げた全ての例は、状況によって是にも非にもなるということです。


ですから、抜歯に関しても常に非であるとはいえないのです。抜歯という方法により、スペースを作らなければ前方に出ている歯を下げることはできない状況があるのです。抜歯によりスペースを作らなければ凸凹が正しい位置に排列できないという場合があるのです。非抜歯で治療をするために、歯を後方へ動かしたり、横へ拡大してもある程度は可能でも、際限なくスペースを獲得することは不可能なのです。


歯をとにかく抜かずに治すある歯科大学病院では、上下の前歯を無理無理前方に傾斜させて並べるため、結果的に口元が突き出たようになってしまい、そんな人たちが待合室にあふれて、通称カッパ天国といわれているそうです。

これは、本来抜歯しなければならない症例まで、抜きたくないという患者さんの希望の通りに治療を行った結果そうなったわけです。


私は決して全部の症例を抜歯しなければならないと言っているわけではありませんよ。一番最初に抜歯を回避できる道を徹底的に探ります。それで解決方法がみつかれば非抜歯で治療できるわけでめでたしめでたしというわけです。

でも残念ながら、もし非抜歯で歯を無理にならべたら、その人が80歳や90歳まで生きた時まで歯がもっていないということではまずいわけです。長い人生のうちにかかる咬合力に力学的に耐えうる位置に歯を並べることが重要なわけです。その目的のために、歯全体の位置を考えないといけないわけです。


長々と書いてきましたが、今日のタイトル、抜歯が是か非か?ということにえはないということです。

つまり、抜歯をするかどうかは、それが必要か否かを適切に診断した結果にかかっているわけです。

盲目的に歯を抜くことのみに着目して悪だと決め付けるのは、最高品質の治療結果を得られない場合があることを覚えておいてほしいと思います。

つまり、わたくしの医院では、「どんなことがあっても絶対に歯を抜かないで治療をします」とは言わないということです。そういうことを言っている先生は、同業者といえどもわたくし信用できないと思っています。

歯を抜かねば無理だと思ったら、患者さんが希望していなくても、そのことを率直に話して、その結果、患者さんが隣の市の絶対に歯を抜かないで治しますという先生のところに行きますといわれても、それは仕方がないと思っています。抜かずに治すことで、歯の寿命を短くすると分かっていて、売上のためにそれに手をつけることはすべきでないと思っています。

専門的なことも書いたので、わかりにくかったかと思います。何か不明な点があればご質問ください。お答えいたしますよ。それでは今日はこれまでです。皆さんおやすみなさい。



徳島の歯列矯正治療専門医院   藤崎矯正歯科クリニック