ローマ人の物語第22巻その2 | MS-GX200のガンプラ記録

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つづきです

さて、皇帝ヴェスパシアヌスが臨まなければならなかったのが、内乱で疲弊した帝国の再建です。破壊された街、軍団基地、建物設備の復興と軍団の再編成には巨額の費用が必要です。しかし、税率を上げることほど国民の反発をかう政策もないため、簡単な話ではありません。

そこで考え出された有名な新税が公衆便所税です。当時、染色業者が公衆便所から取れるアンモニアを使っていたそうなのですが、皇帝はこれに税金をかけたのです。さすがに周囲からも笑われ、現代でもヨーロッパで公衆便所にあたる言葉はヴェスパシアヌスの名前が由来となっているそうです。

息子のティトゥスも「父さん、さすがにやり過ぎでは」と異を唱えたそうです。そこでヴェスパシアヌスは息子の顔に金貨を一枚突きつけ、こう言います。

「これが臭うかい?臭わないだろう?この金貨はその税が元で作られたものなんだがね」



ところで、ローマと言うとよく思い浮かべられるコロッセオ。これは、このヴェスパシアヌス帝が建造を始めた円形劇場です。現在は半分が崩壊していますが、当時の建築技術と芸術性が非常に高かったことが分かります。

ちなみに私も13年前にイタリアへ旅行しコロッセオを見学したことがあります。
言葉で表すことが難しいですが、悠久の雄大さ、スケールの大きさを感じました。


また、ヴェスパシアヌス帝はユーモラスな言葉を残した言葉を残したことでも有名だそうです。

「こんな年になって皇帝なんてやるから…」と愚痴をこぼしたり、


「かわいそうなおれ、死んだら神になるのかな」当時、皇帝は死後神格化されていました。

最期には
「皇帝なんだから立って死ななくては」と、立ち上がり往生したそうです。


ヴェスパシアヌスが帝位についた時に宣言したのは、アウグストゥス、ティベリウス、クラウディウスの政治に戻すとしたことです。初期の皇帝の統治が優れていたと多くが認めていたからでしょう。

ローマが徐々に帝政に移行しておよそ100年、帝国の基盤はカエサルの構想をアウグストゥスが実行し、ティベリウス、クラウディウスが補強し、既に出来上がっていました。

広大な帝国を治めるためには、権力を一手に持つ者が治めるのが有効だと、誰もが認めていました。

次巻は、ヴェスパシアヌスの息子たち、ティトゥス、ドミティアヌスの治世、そして五賢帝と言われる時代に進んでいきます。

今後も楽しみですニコニコ