表面的には正体のわからない恐怖が主人公を苦しめていくホラー要素が強く感じる作品ですが、既視感を感じる主人公を取り巻く環境はわりとSNSの世界ではよく見かける話のようにも感じます。何かの拍子に名声を得て調子に乗ったトコロで落とされてドン底を見るのはSNS全盛の今では、ホントに当たり前に自分にも起こり得る恐怖だと思います。チョットした一言ですべてを失いかねない今の世界への批評とも。
ただ、今作が怖いのは本人の意図がないトコロで起きる夢の中での出来事で、しかし果たしてそれは偶然なのか人為的かつ作為的な何かがあったのではないか、という終わりでしょうか。主人公のポールは選ばれてその環境に置かれたかもしれないという、無作為に強い力に押し潰されてしまう危険性を示唆しているのではないか、とも取れるラストは身震いしてしまいました。