結婚もして離婚もして、隣人とも上手くいっていなくても、独りで満足のいく行き方をしていた物語研究者のアリシアが、魔人のジンに出会って願いを聞かれても答える事ができず、ジンの物語を聞くという物語。彼女は物語が科学の進歩でその姿を顕にされ、その登場人物、特に神話の神々たちは役割を終える、という考えを持っていて、そのせいか時折幻覚に悩まされるという、導入からジンが彼女の幻覚なのか何なのかがあやふやな序盤が後半、それがなかったことのようになってしまっているのは残念かと。それゆれにジンに導かれたのかもしれないけれど、もう少しその辺はファンタジーでも良かったかと。
作品の終末はジョージ・ミラーらしい優しさというか、ディズニーのアラジンのような献身さを感じさせるもので、好きなところではあります。物語を物語る作品、それは眠れぬ子を寝かせるための寝物語のようでした。