映画冒頭でも語っている通り、刃物による殺傷事件があったとして、それを作った人が罪に問われるのか、というトコロが当時の裁判の争点だったと思います。47氏と呼ばれた金子勇は本来、違法なアップロードを誘発するつもりはなく、匿名性によって告発できるようにとしたもので、彼なりの今後の構想もあったのかもしれませんが、利用する側の悪意によって彼もその罪に問われる形になったようです。もちろん、そこには警察などの何らかの作為が見え隠れするところではありましたが。
金子勇という人間についてこの作品からうかがえるのは、彼はあくまで技術者でしたが、彼は自分の行ったことをこれからの技術者たちのために無罪判決を勝ち取るまで戦い続けました。作中では一審判決で有罪判決になった後、担当弁護士からも「裁判を続けるのは技術者としての金子さんの時間を奪うわけにはいかない」と言っていたように、彼もきっと技術者としてやりたかったことも多かったと思います。しかし、彼は無罪判決にならないとこれからの技術者たちが萎縮してしまい、新たな技術が開発されないという危惧を抱き戦い続けました。自分の作ったWinnyが自分の思いとは違う作用をしたことの責任を取った形となっ たということです。