実話を元にしていることもあり、リーマンショックによる影響をどう総括していくか、というひとつの回答なんだと思います。『マネー・ショート 華麗なる大逆転』においては、どうやって破綻から儲けを出して生き残ったか、という当時の“男”を描いていたのに対して、本作はその後の“女”の生き残りを描いています。

感じるのは生きるということへのパワフルさ。それぞれに魅力を持った女性たちが、絶望の淵に立っても生き抜いていこうとするその力強さたるや凄まじいと思います。ジェニファー・ロペス演じるラモーナが序盤にて「母親というのは頭がおかしい」というようなことを言いますが、それ故にその強さを発揮して、男たちに翻弄されてもしなやかに逆風を吹かせようとしているのは圧巻だと思います。

パラサイト 半地下の家族』と同じく社会の底辺で生きる人間たちの巻き返しを描いていて、それは今の世界情勢を反映しているように思います。少数の強者が大半を占める弱者に対して何をしてきたのか、そしてこの状況が決して正常ではないのだと警鐘を鳴らし続ける本作が米国アカデミー賞の選考から外されてしまったのは、残念に感じるところです。