今週、定款の目的に関連して注意すべき点を書いてきました。これから何回かに分けて定款に関連する会社法関連について書いていこうと思います。アメブロで書く内容ではなくなってくる気もするのでその場合は別途下記noteに移行しようと思います。
さて、会社を立ち上げると、自然と「代表取締役」という肩書きがついてきます。けれど、この代表という立場、実はかなり重く、そして危ういものでもあるのです。
「代表なんだから全てを自由に決められる」と思っていたら、いつの間にか代表権を外されていた――そんな事例は少なくありません。
実例:信頼して任せた専務が代表権を奪った
ある小規模企業では、設立時から信頼していた専務に業務を任せきりにしていたところ、定款の規定と議事録の活用で、いつの間にか「代表権」をその専務に持っていかれていた、というケースがありました。
「印鑑カードを持っていたのもその人」「銀行との窓口も任せていた」――気づいた時にはすでに経理情報も変更され、口座の実印すら自分では使えなくなっていたという、まさに合法的な乗っ取りでした。
代表権と実印の管理はセットで考える
会社の代表者は「印鑑証明付きの代表印」を用いて契約や銀行口座などあらゆる行為を行えます。つまり、実印と代表権が揃えば“完全に意思決定を掌握できる”状態になるということ。
定款で代表取締役の選任方法や任期を定めていなかった場合、「取締役会の多数決」で簡単に変更されてしまうことも。小規模法人こそ、定款で代表者の選任・解任の要件を明文化することが自衛になります。
次回は「株主構成が会社の運命を決める」話をお届けします。
