未だに民泊などの規制についての質問があるのですが、
その中で、なぜ人を泊めるのに許可が必要か、ボランティアであればいいのではないか?困っている人を助けるのであればいいのではないか?ということを聞かれた際に色々と答えたことの中で、私自身がふと思ったことがあったのでちょっと書いておきます。
また、事業をされている方は頭のどこかに置いていただけると何かの時に役立つかと思います。
そういえば、宗教施設は人助けが「業」に当たることもあるため、人を止めることも正当行為としてできるようです。
さて、
まず、シンプルに言えば、法律上は
「業として」
民泊、簡易宿所などをやる際には許可が必要ということになります。
この「業として」
なのですが、
実は商売として
という意味ではないのです。
法律を少しでも学んだことがある方であればあたりまえのことでしょうが、商売、ビジネス、事業としてやるのかボランティアでやるのかということが基準ではありません。
「業として」
というのは反復継続して、ということです。
そして、反復継続、というのは二回以上やるということです。
それが商売目的かどうかを別にして、何度もやること自体が様々な事故が起きる可能性を高めるということはおわかりいただけますでしょうか?
だから、それなりに対処の基準をクリアしなさいよということで、それが許認可につながっています。
例えば、今までに、友達だから、親戚だから、と、良かれと思ってやったことでも責任が発生してしまい、後々あんなことやらなきゃよかった、と思ったことありませんか?
少し話が変わりますが、法律上も、一旦引き受けたものには責任が課されます。
具体的に言えば保護責任と言われるものがそれだったりしますね。
例えば、酔っている人を見かけて、少し介抱をした時点でその介抱をした人の責任は非常に重くなります。
簡単に言えば、一旦何かやったなら最後まで責任を持て、ということを国が強制してくる状況になるのです。
もし見かけただけで放置していれば何も問題がないのに、少しの手助けをしたら保護責任者遺棄と言われることにもなりかねません。
戻りますが、反復継続というのは、このような「引き受け」と近いものがあるのでしょう。
「業として」
は危険度が高まることを引き受けることになるので、事故が起きないように規制をするということと。
言い換えれば、必要以上の責任を国民負わせないようにするという、立法者の愛情があると思ったら良いのではないか、と思いました。
むやみな責任を負わなくて済むようにする、というのが法の一つの趣旨ではないかと思いましてとりとめのない話ながら書いておきました。
法律について知っておくと役に立つこともたまにありますよ。
今日も最高の1日を!
goodluck!
石川裕也