徳島出身の作家である北條民雄の文学業績を顕彰するため、北條民雄の忌日12月5日を「民雄忌」と定め、徳島文学協会が主催して12月5日(土)、第二回「民雄忌 ~北條民雄を偲ぶ会~」を開催した。なお11月21日には、KADOKAWAより北條民雄『いのちの初夜』が復刊された。

 アミコシビックセンターにて、14時開会、三十数名の参列者があり、全員マスク着用、会場の換気にも注意を払った。主催者挨拶では佐々木義登会長が、そして「火花」の作者であり評論家で作家の高山文彦氏、芥川賞作家の吉村萬壱氏、KADOKAWA編集者の山本渉氏によるトークセッションをZoomで行い、徳島文学協会会員でフリーアナウンサーのなかむらあゆみさんが、「吹雪の産声」の朗読をした。

参列者の中に北條民雄の大甥にあたるSさんの姿があり、若く健康な北條民雄の姿が彷彿とするような気がして熱いものを感じた。コロナ禍であるこの時代、「いのちの初夜」を手に取ってこの世に存在するということの意義を、一人でも多くの方に感じてほしい。〈く〉