パイロット仕掛け???
パイロット仕掛けは何ですか?これはビギナーの方に、ビギナー+αのボクが度々問われるのですが、即答するのは非常に難しいですよね。それに、パイロットなんちゃら???そんなワードを耳にするようになったのはここ数年の話で、磯釣り歴を振り返っても、実はあまり考えたことはなかったように思います。しかしそんなワードもあるということですし、ボクのような万年素人釣り師でも歴だけは長いので、ぼんやりではありますがお答えしたいと思います。どなたでもある程度の基本仕掛けはあるのかも知れませんが、ボクが海況を見ることをまだ理解していない頃は、海況がどうであれ、とりあえず釣研のグレ専科Bで、常に半誘導仕掛けを選択していたという記憶があります。まずはタナ2ヒロ半程度で開始し、変化が無ければ50cm程度タナを深くしていくといった感じだったでしょうか。もっと遡って、磯釣りを始めた頃を考えてみると、近所の釣り具屋で購入した号数不明の"どんぐり"と書かれただけのウキをつまようじで固定し、かみつぶしと言われたオモリを複数個付けるのがパターンだったように思います。当時のそれも、今で言う"パイロットウキ(仕掛け)"ということになりますかね。釣り歴も幾分積み重ねた今その日の海況など、諸々が少しずつ理解できるようになった辺りからは、季節や潮の速さ、風ウネリ、情報があれば前日&前々日からの水温の推移などによって決めています。つまり、、今現在の自分にはパイロット仕掛けがない!といった結論になってしまうのです。しかしこれでは冒頭尋ねられた質問の回答になっていません。パイロット仕掛けという概念から少し逸脱してしまうかも知れませんが、当会TEAM BRUSHにも、磯釣り歴数年~という会員も在籍しておりますので、そういった方々はまずこの仕掛けからスタートしてみたら?という基本の仕掛けについて考えてみました。まず現在の磯釣りで代表的な釣り方とは?▼全遊動仕掛け(スルスル)ウキを浮かせた状態、00若しくは0などでウキ止めを使用せず、出来る限り軽い仕掛けを用いて、浅いタナから深いタナまでゆっくりと仕掛けを送り込んで行き、ウキで視覚的にアタリを取る。▼全層仕掛け(沈め探り)ウキごと沈めてしまい、ウキに潮を捉えてもらいつつ、浅いタナから深いタナ、つまり全部の層を探って行き、道糸の違和感若しくは穂先でアタリを取る。※簡単な説明です※この二つの釣り方ですが、全遊動と全層の境界線というやつは難しく、メーカーによっては全層も全遊動であったり、全遊動も全層だったり…。どちらも全遊動であったり、、と。なので上記はあくまでボクの境界線とさせて頂きますが、ウキを浮かせて釣るのは"全遊動"とし、ウキを沈めて釣るのは"全層"と定義しております。ここからはボクなりの考えですが、ひとまず全遊動と全層は置いておいて、、アナタのパイロット仕掛けとしてまずは、Bまたは2B浮力Mサイズ程度のウキに、しっかりとウキ止め糸を結び、半誘導仕掛けからスタートしてみてはいかがでしょうか?ハリスを2ヒロ取っているならタナは2ヒロからスタートし、気配がないなら少しずつ深くして、気配があるところを探すといった感じで、、その際、ウキは必ずギリギリ浮くように、ガンダマやジンタンで浮力の微調整をしてください。そしてウキに出る僅かな変化、アタリの出方などをじっくりと観察し、穂先に僅かなウキの重量が感じる程度を意識しながら、潮流や風向きなどを考慮しつつ、道糸を出来る限り直線に保つ訓練をしてみましょう。※この操作をラインメンディングと言いますが、学びたい方は小澤アドバイザー、江南副会長、自分(黒追人)に現場で聞いてください。これ、実は釣り開始の1時間ほどやるだけで、相当のスキルアップとなります。まずウキ止めを使用することで、自分の付けエサが漂っているタナが正確に把握出来、さらに、B&2B浮力の場合ではどの程度の時間を費やせば、仕掛けが完全に馴染む、、ということも理解できるようになります。釣り開始1時間がナゼ良いか?についてですが、その釣座にコマセが入っていないフレッシュな状態で練習!というのが肝で、自分がその日用意したコマセと仕掛けの兼ね合いやらも、朝イチの状態なら観察しつつ、釣りを組み立てていくとういう練習にもなります。何度も書きますが、1投1投、重要なのはウキ~穂先まで極力直線状態を保つこと。ラインメンディングの練習も忘れてはいけません。海中に漂うウキから下の糸を出来る限り引き上げず&動かさず、ウキから上の部分だけの糸を直線状態に!B浮力程度のウキから始めると非常にやりやすいはずです。さらにラインメンディングの練習効率を上げるなら、、ヤマトヨテグス(YAMATOYO) ナイロンライン ゴーキ磯 150m 4号 フラッシュイエローAmazon(アマゾン)499〜990円バリバス(VARIVAS) VARIVAS磯 フロート 150m フラッシュグリーン 4.0号Amazon(アマゾン)1,089〜1,760円サンライン(SUNLINE) 磯スペシャル ファインフロート 150m 1.5号 カラー:イエローAmazon(アマゾン)1,157〜1,920円が特におすすめできる道糸です。どのメーカーの糸も値段なりということはなく、いずれを選んでもとても使いやすいです。ボクはヤマトヨテグスを推奨していますが、このゴウキ磯に限っては1.5→2.0号→というラインナップで、なぜか1.75号がないんですよね、、バリバスもバランスが良くいい糸なのですが、1.5号がなくて1.75号からのラインナップなんです 笑唯一、さすがのサンラインは1.5号から小刻みにラインナップされています。しかし、これ、、最近ファインフロート25にリニューアルされたのですが、販売価格が・・・なので、2~3回程度の釣行で巻きなおすボクには実用的ではない価格です。余談ですが、現在ボクが半島周りの磯でメインに使用しているのはこの二つです。海況や魚のサイズ、竿の番手や仕掛けなどに応じて、フラッシュオレンジ&ゴウキ磯共に、1.5号と2号をそれぞれ別スプールに巻いておき使い分けます。堤防など、シモリ根や障害物が少ない場所では、コストパフォーマンスに優れた"TRUST磯"も使っております。この糸は決して"安かろう悪かろう"といった印象はなく、2~3回で巻きなおすことを考えれば非常に素晴らしい道糸なのでオススメです!ご質問内容の"パイロット仕掛け"という定義から話が反れたような気もしますが、昨今YouTubeやら雑誌等々で、やたらと推奨される"全遊動"や"全層"釣りというのは、半誘導の釣りをマスターしていない段階では、極論となってしまいますが「時期尚早ではないか?」と思うのです。これまたメーカーの逆鱗に触れることですが、メーカーやその開発に携わったテスター様たちは、その製品が売れるための宣伝コミコミで皆さんに発信しております。「皆さんの釣りの上達のお手伝いがしたくて仕方ないから新製品を…」ではないことだけは、頭の隅にでも置いておいた方が良いでしょう。最後に最近磯釣りを始めた方には、この半誘導の釣り方こそが、フカセ釣りの基本ということを知らない方もいらっしゃいます。実際、現在ある様々な釣法は、この半誘導の釣りから派生したものであるのです。故に、この基本ともいえる半誘導の釣りは、極めれば極めるほど、ここでは語り切れない釣技向上に役立つ要素が盛りだくさんです。目先の釣果だけに捉われ、その日の海況も見ずに、何が何でも全遊動だ&全層だと仕掛けをセットしてしまう前に、一服しながら海を眺め、それでも分からないならコマセを放って、流れ方を観察してみるというのも上達の近道です。