どハマリ中 | あづまの書斎

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基本的には私が読んで面白かった本のご紹介です。
時々、時事や身の回りの出来事なんかもお話させていただきます。

『刑事法体系には等しく重要な二つの独立した組織がある。
犯罪を捜査する警察、そして容疑者を起訴する検察。
これは彼らの物語だ』


CATVを契約しているのですが、それで見ることができる 『Law & Order (ロー アンド オーダー)』 シリーズにどハマリしてます。
他に 『24』 とか 『CSI』 シリーズも見れるのですが、私は断然 Law & Order です。

日本の刑事ドラマの場合、遺留物や証言などから犯人を特定して、被疑者を逮捕すればそれで終わりなのですが、冒頭で引用したドラマの始まりのナレーションにあるとおり、検察による裁判の様子もしっかりと描かれていて、つまり、『逮捕して終わり』 ではなく、『裁判で有罪とする』 所までが各エピソードで描かれます。

舞台はニューヨーク (スピンオフ作品でLAとかもあるらしい) なのですが、裁判になれば99.9% 有罪判決がでる日本とは違い、向こうは結構な割合で無罪判決が出たりしますので (リンク先の4ページ目をご参照⇒ )、法廷での検察と弁護側の応酬もさることながら、取り調べ、起訴前後の証拠・証言の収集も、『犯人は誰か』 とか、『逮捕できるか』 ではなく、『意図通りの罪状で有罪にできるか (つまり、殺人罪で起訴するのであれば、過失致死とかではなく必ず殺人罪で有罪にできるか)』 という観点で行われますが、違法収集証拠は容赦なく排除され 、時には被疑者の代理人である弁護士から 『警察を訴える』 と警告されたりと、リスクを抱えながらもギリギリの駆け引き・神経戦が繰り広げられたり、司法取引により証言を引き出したりする様子は迫力が違います。


イギリス・フランスなどでリメイク作品が作られているらしいのですが、日本では、私が面白いと思っているほどにはウケないかも知れないなぁ・・・。
と言うのは、Law & Order のコンセプトは上述のとおりで、裁判により被疑者を有罪とすることを目的として警察も検察も動き、裁判とその裁判で提示する証拠と証言を収集する過程が重要なわけで、『99.9%の有罪率』 も相まって 『逮捕』 という言葉に既に懲罰的な雰囲気が含まれている日本では、逮捕後のことをそこまで執拗に描く事にあまりピンとこないかもしれない。
推定無罪の精神から言えば逮捕後こそが非常に重要なのですが、日本のメディアはその辺がまだまだなおざりですね。