trust me | あづまの書斎

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基本的には私が読んで面白かった本のご紹介です。
時々、時事や身の回りの出来事なんかもお話させていただきます。

もう数日経ってしまっているが、とりあえず鳩山前首相の辞任に関することでも書いておこうか。

アメリカでは民間のシンクタンク(?)によ る、オバマ大統領の冷たい対応が鳩山前首相を退陣に追い込んだとする見解が発表され、米政府筋がこれを否定するという一幕があったらしい。

真偽の程はともかく興味深く、そして、とりわけ『オバマ大統領の冷たい態度』についてはそれなりに信憑性のあるお話しではある。
と言うのは、タイトルに挙げた『trust me』発言だ。

当然の話しだが、母国語以外の言語は、それぞれの単語がどのようなニュアンスを持っているのか分かりづらいもの。例えば、『see』、『look』、『watch』。いずれも日本語では同じ『見る』だがネイティブは明確に使い分ける(辞書によると、『see』は『目に入ってくる』といった受動的なニュアンスであるのに対し、『watch』は『じっと見る。観察する』といった、かなり強いニュアンスがあるらしい)。

恐らく、『trust me』と聞いたオバマ大統領は、普天間問題について『鳩山の側に有効な解決策がある』、もしくは『最優先課題として対処する事を約束してもらった』、といった感触を持っただろう。それが蓋を開けてみればあの迷走ぶりである。『裏切られた』とすら思ったのではないだろうか。冷たくされるのも当然である。

これも一種の失言と言えなくはないだろう。
森喜朗元首相の失言について盛んに追求していた事があったような記憶があるが、その人が自らの失言で追い込まれたとするならば、何とも皮肉な話しである。