仕事の打ち合わせ中に携帯がなった。
ん?
実家からだ、急用かな?
打ち合わせの席を中座して、
電話に出る。
「もしもし、どうした?」
と話し始めるといきなり、
「テレビが映れせんのだわぁ」
と母親の名古屋弁。
「あのよぉ、今仕事中だでいかんわぁ!」
と名古屋弁で返すたれ。
「ほんでもテレビ映らんで寂しいんだわぁ」
と、おかまい無しで話す母親。
「どういうふうに映らん?電源は入っとるんか?」
とりあえず色々聞いたけどらちがあかないので、
電話を切って打ち合わせにもどった。
その夜仕事が終わってから、
念のため工具一式と代替のテレビを用意して
実家へ向かった。
名古屋の実家へ行くのは、
昨年8月親父の葬式以来だから、
10ヶ月ぶりくらいになる。
さて、
問題のテレビというと、
以前たれが
実家に持って行ってやったテレビ。
たしかに、
電源は入り、チャンネル表示は出るが、
画像が映らない・・・。
早速分解してみようと配線を外しかけた時、
取り付けた覚えの無い機械がついていることに気づいた。
「なんだ、これ?チューナーじゃないか?」
どうやら、
電波障害の関係でケーブルテレビになって、
業者がそのチューナーを付けていったそうだが、
母親からは何にも聞いていなかった。
結局そのチューナー
の電源が入ってなかったことが原因だった。
「チューナー付けてもらったと言わなイカンわぁ!」
と怒りたいところだが、
ガックリきて言葉にならない。
そう、
チューナーがついていることが分かっていれば
電話で解決したと思う。
「テレビは壊れとらん、もう大丈夫だで帰るわ・・。」
どっと疲れた。
「ごめんねぇ助かったわ~。あっ、チョットこれ持って行きゃ~」
と母親がなにやらカメ(瓶)を出してきた。
梅干だ・・・。
「私はアンマリ食べんけど、お父さんが好きで漬けとったんだわ、
でもお父さん死んじゃって、だあれも食べぇせんで。」
それで、近所に1kgぐらい配ったそうだが
まだたくさん残っている。
母親がタッパに梅干を詰めだしたが、
どう見ても尋常な量ではない。
どうやら、全部で3kgの梅を漬けたらしい。
母親一人では食べきれないので
残りを引き受けることにした。
残り2kgの梅干を受け取り
岐路につく。
家へついたのは午後11時過ぎ、
疲れた・・・・。
でも、
こんなことでもないと、
なかなか実家へは行かない。
母親は
昔から元気のカタマリの様な人なので
あまり心配はしていないが、
たまには顔をださないといけないと思った。
今回の一件は、
そんなたれに対し
神様が仕向けたトラブル
だったかもしれない・・・。
今夜は、
梅干と焼酎で晩酌。
よし、
明日からもまたガンバろう!