遠野放浪記 2015.12.26.-06 現実の星 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

学校で特にやることがあるわけではないので、ひと目拝んだら満足して街に戻る。

建物がまだ形を保っている限り、俺は今後も折を見て此処に足を運ぶだろう……。

 

 

 

 

釜石街道まで戻ると、先程まで冷たく止まっていた空気が、少しだけ対流を始めたように感じる。

 

 

まるでタイミングを合わせたかのように、明るい日差しまで地面に届き始めた。

我々が次に目指すのは、あの光の下にあるめがね橋だ。

 

 

 

めがね橋を越えると、宮守の“街の内側”に入ったような感覚がある。

 

 

遠野から来て、我々と時を同じくして宮守の街に入る汽車を見送った。

 

 

 

めがね橋の冷たく重厚な橋脚を潜ると、その先は光に溢れた暖かな宮守の市街地だ。

 

 

何故か定期的に宮守を訪れたくなるし、めがね橋に会いたくもなる。

かつて銀河鉄道が走った橋梁から見えるのは、地上に瞬く星の光の様な人々の生活の灯りだ。

 

 

 

不思議と遠野側の空は晴れ渡っている。まあ、山間の冬の天気などこんなものなのだろう。

 

 

めがね橋前の広場は、何時の間に恋人の聖地に指定されている。塞さんと胡桃ちゃんがここでナニかをしていたことはつとに知られているが、一般人でもラブラブなハートの椅子に座り、記念撮影が出来る。

 

 

 

読者諸氏も是非、この場所でラブラブな写真を撮り、そして宮守の経済に貢献していただきたい。