遠野放浪記 2015.09.19.-13 神々の娘 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

続いて登場するのが上組町南部ばやし。頭には艶やかな花冠、手には大きな八重の花が付いた枝を持ち、前掛けには踊り手の家紋と家名が記されている。

 

 

 

 

若くては小学生くらいの年齢から踊りの行列に加わっている。

上組町は4団体ある南部ばやしの地域の中で、唯一駅の北側にあり、遠野の古い街と新しい街を繋ぐ立地にある。時代の影響を最も受けて来たであろう地域を背負う若者たちが多いのは嬉しい。

 

 

 

 

枝を手放し、徒手空拳で舞う姿も見事だ。

 

 

 

 

 

 

南部ばやし行列の最後に、仲町南部ばやしの一団が来た。頭には黄金の烏帽子を被り、手にする枝の花は控えめだ。

 

 

 

南部ばやしの踊り手は、どの団体であっても鼻に白い塗料を付けている。調べてみてもこれがどのような意味を持つのかはわからなかったが、古来馬を何よりも大切な生活のパートナーとして来た遠野の文化であることを考えると、馬の流星を表現しているように思える。

取り分け仲町の白い紋様は、くっきりと鮮やかに見える。遠野の内と外を結ぶ地域であるだけに、多くの馬が行き交い人々の生活と密接に関連して来たことが文化にも反映されているのだろうか。

 

 

 

 

 

仲町の踊りのテンポは、4団体の中でも最もゆっくりだ。地域の、他の地域とは明確に異なる歴史の積み重ねが、その文化の上澄みに微かな違いとして表れているのだろう。