遠野放浪記 2015.09.19.-01 一年目 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

2015年の4月に入籍した我々は、9月に神田の教会で式を挙げ、そして嫁の親戚に挨拶回りをするために一週間程岩手に滞在していた。その間に丁度遠野まつりの開催日が含まれるため、遠野で世話になった人たちへの挨拶も兼ね、一泊二日で遊びに行くことにしたのだ。

 

出発の日の朝ごはんは、嫁の実家で食べさせていただいた。沿岸の鮑に塩雲丹、近くの山で獲れたきのこの天婦羅の蕎麦など、非常に豪華だ。

 

 

旅のおやつに、近くのスーパーで買った南部せんべいのカレー味を持参する。

 

 

食後の後片付けなどしているうちに良い時間になったので、実家の最寄りの仙北町駅からいよいよ出発だ。

 

 

此処から30分程本線に揺られ、花巻で釜石線に乗り換えるのだ。

 

 

朝方少し曇っていたが、汽車が走り出してすぐに青空が広がった。県央の田園地帯には黄金に色付いた稲穂がたわわに稔っている。

 

 

気が早いところでは、もう稲刈りが終わっていた。遠野でも、祭りが終わるまでは刈り取りが始まらないことが多い中で、これは早い。

 

 

汽車は矢巾、紫波、日詰といった街を通過して行く。今までは遠い世界の地名だと思っていたが、何時の間にか行ったことがない街の方が少なくなって来たくらいだ。

 

 

東側の車窓には、天気が良いと早池峰の姿が見えるのだが、今日は残念ながら雲が多く、その姿は拝めそうになかった。

 

 

 

汽車は定刻どおり花巻駅に到着。今日は遠野へ向かう人が多いのかと思いきや、汽車待ちをしているのはまだ3人程度だった。

 

 

 

 

暫く待ち、我々が乗る汽車も定刻どおり到着。それに合わせるかのように、何処からともなく大勢の人が汽車の列に並び始めた。

この汽車は盛岡から来たので、車内にも既に何人もの客が乗っている。やはり年に一度の遠野まつりをひと目見ようという人が多いのだろう。

 

 

我々は早くから並んでいたおかげで、席に座ることが出来た。秋の釜石線の風景も極めて美しく、嫁と一緒に拝めるのが楽しみなのだ。