遠野放浪記 2015.08.16.-07 旅が終わる気がする | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

花巻の外れ、東和は晴山に差し掛かる。このあたりも山が近いが、大地は広く命の稲穂に覆われ、光は溢れている。

 

 

 

駅の桜並木、また花が咲く季節に来て見たい。

 

 

この先に険しい峠道はなく、東和の中心である土沢まで穏やかな風景が続く。

 

 

 

土沢から花巻の中心街までは、少しだけアップダウンがある道が続く。旅から旅へ、俺が好きな風景のひとつである。

 

 

土沢の外れにある、街のシンボルのような小さなめがね橋をくぐる。街外れの森を抜けると、美しい棚田の風景が車窓に見えて来る。

 

 

 

天高くまで聳える入道雲が、地上に影を落としている。

 

 

季節の移ろい、生命の移ろいを感じられ、そしてその中に命のひとつひとつとして人々が生きている。

これ以上に美しい景色はそう多くないと思うのである。

 

 

 

 

 

 

以前独りで来たことがある三郎堤と小山田駅。緑に包まれた小さな駅は、釜石線の中でも指折りの好きな駅だったりする。

 

 

シロとエイスリンちゃんがいた、堤へ上る小さな階段も、溢れる緑に覆われて汽車からではその姿を確認出来ない。

 

 

似内駅を過ぎると、いよいよ花巻の市街地が近付いて来る。瀬川を渡ると、急に視界に近代的な街並みが飛び込んで来る。

 

 

間も無く釜石線の旅が終点を迎える。

 

 

 

東北本線の鉄路に出迎えられ、花巻駅に到着。

 

 

釜石線に別れを告げると、何だか旅が終わってしまったような寂しい気持ちになる。勿論まだまだこの先には長い旅路が待ち受けているのだが。