遠野放浪記 2015.01.12.-02 新しい一日 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

吹雪の中、俺は遠野駅に送っていただき、くら乃屋の御主人と別れた。次に会うのは何時になるだろうか。

 

 

街も今日は大雪に見舞われており、ただその場所にいるだけで睫毛に雪が張り付き、見る見る視界が奪われてしまう。

 

 

こうなると汽車がまともに走れるのかが心配だったが、其処は東北の路線、全く問題なく走っているようだった。

 

 

 

駅員が雪掻きを行っているが、掻いた側からまた積もる。あまり捗っていないようだ……。

此処から大工町の踏切すらよく見えなくなっている。

 

 

やがて、定刻よりも数分早く花巻行きの汽車が入って来た。

 

 

この時間に釜石行きの汽車と遠野駅ですれ違うためで、数分の停車時間がある。その間に跨線橋からホームの様子を眺めて見ることにする。

 

 

出発を待つ汽車の姿ははっきりと見られるが、その先の街並み、高清水、六角牛といった遠野を象徴する山々は全く見えない。

 

 

これから吹雪の中へ、汽車が走り出して行く。

 

 

今日は途中で寄り道をする計画だが、今日中に家に帰らなければならないため、仙台から新幹線に乗ることにしている。

 

 

南へ抜ければ天候も幾分か回復するだろうから、何とか宮城県に入るまで無事に進んで欲しい。