団員たちは続々と民話通りに集まり、駅から鍋倉山への一本道を市民センター目指して歩いて行く。
隊列が詰まって来ているのか、団員たちは全く切れ目なく俺の目の前を通り過ぎて行く。だいたい2人横並びで行列を形成しているので、最低でも400メートル以上の長さになっている筈だ。
民話通りの信号は動いていて、車も通る。消防団のパレードも信号は守る。隊の途中で分断されてしまったりしないのだろうかと心配していたが、ちゃんと地区ごとにひと纏まりになるように計算して行進しているようだ。
ラッパ隊は祭りでいうところの門掛けのように、商店などの前で立ち止まって演奏して行く。全ての隊がやっているわけではないようなので、それぞれが所縁のある場所で演奏しているのかもしれない。
その間に、ラッパを持たない団員は続々と市民センターに吸い込まれて行く。
パレードが終盤に差し掛かっているため、進行を監督するベテラン団員の目にも鋭さが増す。
最後のラッパ隊の演奏を見届け、ベテラン隊員の号令で全ての団員が市民センターに入って行く。
パレードはこれで終わりかと思いきや、そうではなく、この後に消防車の一団が控えている。