遠野放浪記 2015.01.10.-06 鳥たちの楽園 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

東白石駅のすぐ側を流れる白石川には、晩秋になるとたくさんの白鳥が飛来する。駅から白鳥の一団が見えることもあり、この日も線路から遠いものの、数羽の白鳥が水面に浮かんで寛いでいた。

 

 

 

仙台が近付き、少しずつ車窓に見える街の規模が大きくなって来た。野山と人々が共存する光景である。

 

 

 

仙台駅にはほぼ定刻通りに到着。途中の遅れは取り戻したようだ。次の汽車まで30分程時間があるので、一旦ひと息入れることにする。

 

 

 

昼ごはんには、近年流行りのタイカレーの缶詰、トマトコーポレーションというメーカのマイルドタイカレーイエローをいただく。ボリュームが結構あり、食べ応えがあった。タイカレーはイチから自宅で作ると結構手間が掛かったりするが、こうして手軽に味わえる手段が増えて来たのは良いことだ。

 

 

宮城県北に差し掛かり、松島界隈を過ぎると、宮城の原風景とも言うべき美しい光景が広がる。やはり雪は殆ど無く、冬らしいかというと未だ実感が足りない気がする。

 

 

 

県北地域には、山形との県境付近を水源とする鳴瀬川が流れており、その幾つもの支流が自然と街と街とを隔てている。品井沼、鹿島台、松山町と、地元の人々が行き交う小さな駅と街が沿線に現れては消えて行く。

 

 

 

高架橋の下など日陰になる時間が長い場所には、吹き溜まりになった雪が残っている。

 

 

この場所から夕日を眺め、自分の住む世界とは全く違う世界が日本にはあるのだということを初めて実感した。

 

 

 

此処でまた、風が強くなって来たため汽車の歩みがゆっくりになった。途中駅で足止めを食らい、運転手も気が気でない様子だ。

 

 

北へ進むに連れ、少しずつ地面に残る雪の量が増えて来た。といっても未だこの時期らしい風景ではないが、分厚い雲を突き破って差すひと筋の光の中を飛ぶ鳥の姿を見ると、やはり今は冬の只中なのだということを実感もする。

 

 

鳴瀬川の本流を越えると、間もなく小牛田である。ギリギリ次の汽車への乗り換えは間に合いそうだ。

 

 

 

岩手に入れば少しずつ、真冬らしい光景に変わって行くのだろうか。そのような変化も旅の楽しみだ。