遠野放浪記 2014.08.23.-31 進軍の歌 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

八幡の森を横目に走れば、道は間も無くバイパスと合流。遠野の中でも一番文明の香り(少々の皮肉含む)がする場所で、とうとうこの旅も終わりを迎えることを意味している。


1


信号機を見るのが5日振りだ。

2


バイパスを横切り、早瀬川に迎えられて俺は市街地に帰って来た。まだ日差しは明るいが、西の空は次第に透明な光に包まれ、夜を迎える準備を整えつつあった。

3


駅前には何人かの人が屯している。祭りを除き、附馬牛の5日間で出会った人々を全て足したよりも、多くの人がいる気がする……。

4


ともあれ無事に駅前に戻り、緊張の糸が切れたためか一気に疲労が襲って来た。

俺はもうこれ以上動き回る気にはならず、カッパの店に入っておやつでも食べながら休息を取ることにした。

5


カッパには最近見掛けなかったと心配されたが、大丈夫だ。

今日のおやつはいつものカッパジョッキパフェではなく、新メニューの遠野三山カレー。石上、六角牛、早池峰に見立てたごはんに、春の水田をイメージした(?)カレーが掛かっている。普通に美味い。

カッパに言われて気付いたが、遠野三山は順に頭文字を取ると「い・ろ・は」になる。これは偶然なのか、それとも意味があるのかはわからないが、偶然だとしても何か見えざる力が働いた結果、この名前が与えられたような気がしてならない。

6


一気に遠野三山を制覇した気になったか、俺は気が良くなり元気も回復した。

さらに、カッパからちょっとしたおまけとして明日の朝ごはんまでいただき、嬉しいことだらけである。