遠野放浪記 2014.07.26.-12 一服 | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

この場所は丁度宮守と柏木平の中間に当たり、釜石街道は峠に差し掛かる緩やかな上り坂を成している。


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バス停はあるが誰かがバスを待っている様子も無く、あたりは静まり返っている。

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すぐ近くに迷岡の街があるというのに、何だか見えない壁に遮られているかのように寂しい雰囲気だ。

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眼下に釜石線の線路があった。あれだけ歩いて来た先でまた出会えるとは、何故だか少し意外な気がした。

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今回は宮守へ戻るか、このまま何処か先の駅まで歩き続けるかするつもりだが、いずれにしてもそれまで釜石線とはお別れかと思っていた。

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迷岡の外れには一軒の商店があり、名を迷岡商店という。

地名は「まよおか」だが、この商店は「まよいおか」商店なので、地味に紛らわしい。

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商店の前にはジュースの自販機があり、今回非常に貴重な水分補給が出来たのだが、この自販機も2017年頃には無くなってしまった。最早迷岡で水分補給をすることは出来ない……世知辛い話である。

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商店の縁石に腰掛け、少し早い昼ごはんを食べることにした。

リュックの中からは缶つまの「赤貝のどて煮風」が出て来た。濃い目の味噌味に加え、表記のさり気無さに反して結構な存在感を放つ山椒が白いごはんと大変相性良く、これまで歩いて流した汗で失った塩分の補給にもなった。

この後どうするかは、もう少し休んでから考えることにする。