遠野放浪記 2014.05.05.-14 猫の国 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

昼ごはんを終える頃にはすっかり日も傾いていた。俺は綾織をぶらぶらと歩きながら、ゆっくりと時間を掛けて街に戻った。

昨日唯一石上に挑戦することを伝えていたのがCocoKanaのKanaさんだったので、一応生還報告をしておくことにした。それに、昼ごはんの時間がどんなに遅くなってもおやつは絶対に食べるべきだ。


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CocoKanaには猫たちが暮らしている。今日は天気が悪いからか、一日店の中でのんびりしていたようだ。

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いつも俺の膝に乗って来てくれる子もいる。かわいい。

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と思ったら、すぐに少し離れた所へ行って寝たふりをしたりもする。

かわいい。

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椅子の上でモチみたいになってごろごろしている子もいる。

本当にかわいい。

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他の子に気を取られていると、またさっきの子が膝に乗って来たりする。よく見ると、顔に怪我をしているようだ。元々は自然とこの場所に棲み付いたようなので、それまでには苦労もあったのだろう。

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膝に乗ったまま眠り始めた。これでは動けない。

でもかわいい。

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しかしこのままでは何も出来ないので、助けを求めるようにあたりを見回していると、椅子の上でモチみたいになっていた子が目を覚ましていた。助けてくれるのだろうか。

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と思ったら、再び器用に丸くなって眠り始めた。

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たまにもぞもぞと動いているので、もしかしたら寝たふりをしてこちらの様子を窺っているのかもしれない。

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時々こちらを見ていたりもするが、かといって何かをする気も無いようだ。

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そのうちに再び背中を丸め、本当に眠り始めてしまったようだ。

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かわいい猫たちと過ごす時間は、旅の中における一服の清涼剤だった。一日の終わりに猫たちと戯れることがどれだけ癒しになっていたことか。


今はもう、この子たちに会うことは出来ない。運命は時として残酷だ。

俺やこの店に足を運ぶ人が、出来るだけ長い間この子たちのことを考えたり思い出すことが、この子たちへの手向けになることを願って止まない。