釜石大観音は魚籃観音であり、魚を抱えて優しそうに微笑んでいる。観音胎内に入ると、黄金の大観音のミニチュアが出迎えてくれる。
低層階には事務所や会議室などがあり、普通の寺院とあまり変わりないようだ。
祭壇には、魚籃観音の御本尊が祀られている。
魚籃観音は三十三観音のひとつであり(馬郎婦観音と同一であるともされる)、胎内には他の32体の木像も安置されている。この御本尊と併せ、三十三観音の全てを目にすることが出来るのだ。
此処から最上階の展望台まで、只管螺旋階段を上って行くことになる。
階段は人ひとりがようやく通れるくらい狭い場所もあり、なかなかにスリルがある。
展望台まで一階層ごとに、踊り場に七福神が祀られており、拝みながら休憩できるようになっている。
下から順に、弁財天・恵比寿・大黒天・福禄寿・毘沙門天・寿老人・布袋。その全てが鉈彫りという技法で造られており(アフリカの彫刻に多い技法なのだとか)、荒々しくも暖かさが浮かび上がる、優しい表情をしている。
実に12階まで上ったら、いよいよ展望台に到着だ。