遠野放浪記 2014.01.11.-01 残り香 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

年が明け、年末の旅の余韻も冷め遣らないうちに、俺は再び遠野に旅立つ決心を固めた。

今回は1月の3連休に、昨秋に新しく遠野遺産に指定された史跡のうち、まだ行ったことがない寺社などを巡ることにしたのだ。


ということで新年一発目の旅立ちの日、朝ごはんは遠野の物産「そばひっつみ」を茹でていただいた。

とても平たくて幅が広い蕎麦で、食感がまさにひっつみみたいだ。出汁はかなりしっかりした味なので、本当は一緒に野菜などを煮込むと、優しい味になってより美味しい。


1


腹が満たされたところで、今回もパティと一緒に出発だ。

2


菊坂の裏側を通って上野駅を目指す。菊坂もこの時間はまだ暗いが、裏通りには住宅しかなく、街が寝静まっているこの時間帯は本当に真っ暗だ。東京でも、冬は寒い。

3


途中で菊坂に合流し、本郷通りに出る。

4


途中にある名も無き神社に旅の安全を祈願し、引き続き駅を目指す……。

5


切通坂を下ると、夜も眠らない広小路に出る。其処からはもう数分で、東北の玄関口・上野駅だ。

6


今回は、JR東日本の三連休乗車券で旅に出る。

三連休だと遠野もフリーエリアに含まれているので、とても得だ。

7


上野から宇都宮へ向かう列車は、始発列車なので毎回座れる。今回もパティと一緒に席に陣取り、夜が明けるまで暫し夢の世界へ……。


そして数十分後、眩しい光で目を覚ますと、丁度街の向こうから朝日が昇るところだった。

8


列車は小金井駅を出発したあたり。車窓から見える景色は、もう北関東のそれに変わっていた。

9


もう間もなく、宇都宮駅に到着する。今までは寝ているうちに夜が明けてしまうということが多かったが、今日は美しい一日の始まりに立ち会えた。

旅はまだ始まったばかりだ。