遠野放浪記 2013.12.30.-06 宝寿院 | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

青笹は糠前から市営球場付近に出る道の先に、宝寿院という大きな寺が立っているのを発見した。


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参道は広く、かなり立派な寺院のようだが、その入り口の雰囲気はあまり目立たず、林道の入り口だと言われれば納得してしまうような様相であった。

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境内に入って暫く進むと、物見櫓や御堂らしき建物が見えて来た。此処が宝寿院の入り口のようだ。

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案内板には「万世の里・宝寿院」と書かれている。

意外だが、この寺院は作家にして着物デザイナーの宇野千代(山口県出身)と深い関わりがあるようだ。

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冬だからか、入り口の門は固く閉ざされている。

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通用門(?)には「万世塾」という看板が出ていた。

寺院とは元々人が集まるための場所だから、住職など学のある人が地域の教育に携わっていた可能性も高い。

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境内はかなり広く、奥に進むに連れて森も深くなって行く。

強い風が吹くと、木々の枝に積もった雪が舞って、まるで吹雪のようだ。

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また大きな門が出て来たが、この門には家庭の表札らしい、人の苗字が書かれた板が掲げられていた。住職の家庭だろうか。

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そろそろ森も終わり、境内の端まで来たようだが……。

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一番奥に、これまでの門とは明らかに雰囲気が違う、冷たい鉄の門が立ちはだかっていた。

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深い木々の奥に、微かに建物の姿が見える。あれが宝寿院の本堂だろうか。

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残念ながら、門は開きそうになく、此処で引き返すことにした。

雪が溶ける頃になれば、本堂にも人が受け入れられるのだろう。

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これまでに訪ねて来た寺院とは流れている空気が違う、特別な場所であることが感じられた宝寿院。

その真の姿に出会う機会は、また次のお楽しみだ。