遠野放浪記 2013.11.03.-11 外れの外れへ | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

小友の中心から、今度は五輪峠へ抜けて行く道に入る。


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この道はかつては遠野と江刺を結ぶ唯一の街道で、多くの旅人で賑わった。

今は高速道路などの交通手段が発達し、小友の中でも奥まった場所にある集落に住む人たちがたまに通って行くくらいだ。

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荷沢峠の道とは違い、今度は青空の下でのサイクリングだ。静かな道を、たった独りで風任せに。

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次の目的地は、小友の中でも最奥と言って差し支えない場所にある外山(そとやま)という集落だ。その場所にも遠野遺産があるのだが、外山は以前に行こうとして挫折した土地であるので、訪問自体が楽しみなのだ。

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小友の中心と外側の境目に、ほのかに紅く色付いた小さな森がある。


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特に整備もされていない、自然のままに取り置かれた境内の入り口には熊埜神社と銘打たれた石碑がある。

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以前に訪れたときと些かも変わっていない、時間が止まったような神社。小友の内と外を、遥か昔から見守ってきた神社だ。

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そう広くない境内には、大小様々な石碑がある。

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長年の風雨に晒され、銘も消えてしまった石碑が多い。いつから、何のためにこの場所にいるのだろう。

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御社の由来も、調べてみたが案の定わからない。そんな場所が遠野には多過ぎて、全ての謎を解き明かすなんて夢のまた夢……。

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この仄暗い神座の奥に、眠っているものは何か。

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今後も俺の人生が、この場所に縁があることを願って先へ進む。