遠野放浪記 2013.11.02.-10 裏メニュー | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

今日の最後の目的地は鱒沢駅なので、20時過ぎの汽車に乗らなければならない。

2時間余りしか時間が残っていないのは寂しいが、Deんに入ってMISUZUさんに会おう。


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Deんにはケンさんも来ていて、ふたりで飲むことになった。

今日のお通しは、竹輪と切り干し大根の煮付け。美味い飲み屋はお通しこそが楽しみだったりする。

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Deんもそろそろ冬支度ということで、メニューが刷新され、おDeんが登場していた。

具材は5種類。遠野は11月ともなれば夜は冷え込むので、このおDeんは身体が芯から暖まる気がして嬉しい。

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話し込んでいるとついつい酒が切れる。

料理は追加で発注したが、おDeんに付いて来たからしが余っているので、料理が出来上がるまではコレをつまみに飲むw

余談だが俺はとある村の夏祭りに駆り出された際、公民館の冷蔵庫に唯一あった酒以外のもの――胡麻ドレッシングをつまみに飲んだことがある。


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定番メニューも勿論ある。Deんの唐揚げは、唐揚げに理想の形があるとしたら、それに最も近い唐揚げだ。

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ケンさんやMISUZUさんとの話も盛り上がり、そろそろ宴も酣に差し掛かる頃になり、ケンさんが「是非食べて欲しい料理がある」と言い、ゴエモン飯というメニュー表に乗っていない料理を発注した。

運ばれてきたのがこれ↓だ。唐辛子をたっぷり使ったもやしの炒めものがごはんの上に乗っていて、見るからに辛そうだ。

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このメニュー、2015年現在はレギュラー化されているものの、当時は知っている人しか知らない裏メニューだった。ケンさんも一緒に食べることになったのだが、彼もこれを食べるのは二度目だとか。

そして実食。ケンさんは「前回よりも辛い」と言っていたのだが、俺は某カレー屋でちょっと太ったインド人に鍛えられたからか、辛かったが充分美味しくいただけた。これはレギュラー化して欲しいとこのときから思っていたのだが、今やそれが実現したことを思うと、遠野市民の多くが俺と同じ気持ちをゴエモン飯に対して抱いていたのだと思う。


やがて時計は20時を指し、閉店まで飲むケンさんに別れを告げ、惜しまれつつ(?)店を後にした。