番外編 ちょーおもしろい姉帯探訪記15 | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

馬場の集落に差し掛かると、向かって左手に姉帯児童館という建物が見えて来る。


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門には姉帯小学校の銘。しかしこの寂れ具合は、もしかして……。

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やはりというか、姉帯児童館は閉鎖されて久しく、幼い姉帯さんの賑やかな声が響いていたかもしれない庭園は草木が生え放題になっていた。

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打ち捨てられたままの姉帯小学校の看板が悲しい……。

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姉帯児童館の裏手に姉帯小学校があるが、此処も随分前に廃校になっているようだ。

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昔姉帯さんが遊んでいたかもしれない校庭の遊具は、撤去されずにそのまま残っている。

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もしかしたら今でも、時々近所の子供が遊びに来たりするのかもしれない。


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姉帯さんも昔を思い出して足を運んでいるかも。

誰もいない広い校庭を、何だか懐かしい匂いがする風が吹いて行った。

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昭和の香りが漂う木造校舎は、懐古主義者である俺の好奇心を頗る刺激する。

色合いといい造形といい、非常に可愛い風貌をしている。


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外からもわかる大きな吹き抜けの建物は、体育館だった。

中は意外に小奇麗だが、床に無造作に取り残されたごみが、やはりもう此処に子供たちの姿が戻って来ることは無いという悲しい現実を突き付けているようだった。

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校舎の脇には、廃校時に立てられたと思われる石碑。


「山間に二千余名を育みし我等が母校 姉帯魂よ永遠たれ」

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姉帯魂だよー。

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調べてみたところ、姉帯小学校は2000年に廃校になり、小鳥谷小学校に統合されたとのこと。

14年前か……長いよ、14年は。最後の卒業生も社会人になっているだけの時間だ。

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抗い難い時代の流れを感じ、ただ姉帯さんとひたすらイチャイチャしたいという己の欲望のために姉帯を訪れたことに対して忸怩たる思いだ。

せめてこの場所に残っている姉帯魂を俺も持ち帰り、常に心に持って生きていきたい。