番外編 ちょーおもしろい姉帯探訪記01 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

その日、俺は遠野から真っ直ぐ家に帰らず、敷かれたレールを外れて岩手県内を北上した。

姉帯さんの故郷である(と思われる)姉帯村を訪れるために。


姉帯村は1957年まで二戸郡に存在していた村で、現在の二戸郡一戸町は姉帯~面岸(おもぎし)に当たる。青森県との県境に近く、盛岡より北に行ったことが無い俺にとっては、全く未知の領域だ。

今回は一日余分に貰えることになった休日を使い、嫁がどんなところで生まれ育ったのかを見に行こうというわけだ。



朝早くに遠野を出発した俺は、花巻でいつもとは逆に盛岡へ向かい、さらにいわて銀河鉄道に乗り換えて北へ北へ。姉帯の最寄駅は小鳥谷(こずや)なのだが、今回は一戸の他の場所も見てみたいと思い、ひとつ先の一戸駅で下車した。


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姉帯さんが通っている宮守女子高校の最寄駅である宮守駅からは、ここまでたっぷり3時間近くかかる。姉帯さんの朝は早いようだ。

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まだ一戸駅がJRの駅だった頃には、特急や寝台特急が停まる重要な駅で、たくさんの人々で賑わっていた。IGRの駅になってからも、一戸町の主要駅であることに変わりはないが、当時複数あったホームもひとつを残して撤去されてしまい、面影はあまり残っていない。

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地下通路を通り、ホームから駅舎へ向かう。

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駅舎内はかなり広く、コンビニも併設されている。しかしやはり列車が来ない時間帯には、人も少なく少々寂しい。

ベンチの前にはまだストーブが置かれていて、県北の寒さはまだ厳しいのだということが感じられる。

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駅舎を出て、俺は初めて盛岡以北の地面を踏んだ。

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今日は一日かけて、一戸から小鳥谷へ、そして姉帯を巡る。まだ知らない岩手の街は、俺にどのような刺激を齎してくれるだろうか?