遠野放浪記 2013.05.05.-05 現実に帰る | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

今日の列車は各駅停車なので、俺が大好きな東白石駅越河駅にも停車する。

別の機会にこの両駅にも降りることが出来、今まではただ車窓から眺めるだけだった駅が「行ったことがある駅」になった。読者諸氏にも是非、そんな駅を見付けて「寄り道をする旅」を楽しんでいただきたいと思う。


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福島県に入り貝田駅を過ぎると、列車は厚樫山の高台に上って行く。

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少しずつ夕暮れが迫り、春の霞のような雲が福島の大地に影を落としている。

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この風景は本当にいつ、どの時間帯に見ても良い。

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3日前に通った際にはまだ地面が剥き出しだった田圃に、少しずつではあるが水が入り始めている。

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春は歩みを止めることなく、着実に前に進んでいるようだ。

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やがて列車は高台から下り、ミニチュアのように見えていた家々や田園風景が同じ視線の高さに戻って来る。

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藤田駅が近付くと、そろそろ俺の意識も現実に引き戻されて来るような気がする。

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間も無く福島駅、帰路もようやく半分といったところだ。